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「1日ぶりだね昴。…あれ?昴また固まってるの?おーい?すーばーる?」


「へぁ!?う、つみや君ち、近いよ!?」


固まって何も話さない僕を無理やり動かし、宇都宮君と向かい合った体勢で座らされる。
そのせいで宇都宮君と目が合ってしまい思わず顔が赤くなった。

ふぇ!!推しと、推しと目が合っちゃってるよ!!相変わらずのキラキラオーラが眩しい!!
宇都宮君の顔が尊すぎて僕は両手で顔を隠した。無理、これ以上宇都宮君の顔を直視したら僕の心臓がとまっちゃう!!


「昴?宇都宮君じゃなくてなくて春兎って呼ぶ約束したよね?」


「へぁ!?」


そんな僕の心境をしらない宇都宮君は顔を隠している両手を少しずらして下から覗き込むようにして僕と目線を合わせてくる。


「ね?昴…もしかして僕との約束忘れたの?」


「ややや約束??宇都宮君との約束…」


「だから宇都宮君じゃなくて春兎ね、昴わかった?」


「わわわわかった、わかったよ春兎!!」


だからこれ以上僕をドキドキさせないで!!推しとの距離が心臓に悪すぎる!!あと推しの上目遣いカッコよすぎるから!!本当に同じ人間ですか!?あ、待って、興奮のあまり鼻血でそう…。


「ふふ、昴がまた約束破ったら…どうなっても知らないからね?」


「ひえっ!?」


宇都宮君が僕の耳元で喋るから思わず情けない声が出た。


「ふふ、可愛い。じゃあまた後でね昴」


言いたい事だけ言って最後に僕を抱きしめてから去って行く宇都宮君。
僕はそんな彼の後ろ姿を指の隙間から覗いていた。


「やっぱり!!すばるん宇都宮君と付き合ってたのね!!ね、見た将人!!すばるん可愛すぎよね!!」


「…昴、本当に宇都宮と付き合ってんのか?」


「ち、違うよ!?告白なんてしてないしされてないと思うよ!?」


「じゃあすばるんは宇都宮君とどんな約束したの!?そこのところ詳しく!!」


「わ、わかんないよ桜ちゃん…そもそも宇都宮君と名前で呼び合う約束してたなんて覚えてないよ」


いつそんな約束してたんだろう??
夜?朝?実は緊張しすぎて宇都宮君との会話の内容を覚えていないんです。

いつの間にか眠っていて気づいたら朝で、起きたら宇都宮君が隣で寝ていたことまで覚えてるんだけど…そこからの記憶がないのだ。


「すばるん本当に何も覚えてないのね…」


「推しが好きすぎてさっきみたいに会話もままならなかったんだろうな」


「ううっ…」


将人の言葉に何も言い返せない僕は俯く。

だって推しにあんな距離で話しかけられると慣れてない僕はどうも緊張しちゃって…。
推しに話しかけられる時緊張しない方法ってあったりするのか誰かに聞いてみたいな。


「まぁ何か困った時は相談のるからな?」


「そうそう、たとえば宇都宮君の誘惑方法とか!」


「へ!?ゆ、誘惑なんてしないよ!?桜ちゃん何言ってるの!?」


「そういう日がくるかもでしょ?」


「そんな日はこないよ…それに僕の恋愛対象は女の子だよ?」

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