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LOTUS FLOWER~ふたたびの運命~外伝

新婚旅行①

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彩明あやあき~?ここ!ここどう?」





「ん?」






「お、ん、せ、ん…」

語尾にハートがついているかのような
甘い声で俊詩としふみ彩明あやあきの耳元で囁いた。













とある旅行会社のパンフレットが並ぶ
コーナーで2人していろいろと
行き先を物色する。









「ここさ。部屋に温泉ついてんの…。
ゆっくりさ、彩明あやあきとさ…
入りたいじゃん…。」






「…………なんて声。」






「え?」






「そんな甘い声で囁かれたら…。」






「感じちゃう?」






「!!!もう…バカ………。」










「ね、彩明あやあき。あの人たちにずっと
見られてんだけど。」




「え!?」






彩明あやあきはキョロキョロとあたりを見回す。






「…!あ…。ちょ、ちょっと
俊詩としふみ、離れて!」




目線の先にはこちらを見て
キャッキャしている女性が2人。





「なんでさ!逆に~!
見せつけてやろぉぜぇ…?」






俊詩としふみはさらに擦り寄り
彩明あやあきの腰に手を回し顔を近づける。






「ちょ!ちょっと!」




ドン!と俊詩としふみを突き放して
赤くなる彩明あやあき
パンフレットを取りに行くふりをして
その場を離れた。






「…ごめん。彩明あやあき怒った?」





追いかけてきた俊詩としふみ
やりすぎたか、と頭をかいている。






「怒ってはないけど。」





口を尖らせて言う彩明あやあき

「その顔…反則。
他の人に見せないでよね。」と俊詩としふみ







きょとん、とした顔で
首を傾げる彩明あやあき

「その顔もダメ。」と
頬を赤らめる俊詩としふみ
柱の影で素早くキスをする。






「もう~!バカバカ…」





彩明あやあきは熱くなった体を
冷ますのに少し時間が
必要だ、と思った。














結局、俊詩としふみの希望により
近場で部屋に温泉のついた
高級温泉旅館の離れを予約した2人。






「だってさ。せっかくの
新婚旅行だし、2人きりに
なりたいじゃん。

人前でイチャイチャしたらさ~
彩明あやあき怒るでしょ?

それなら、交通費が高くない近場で
いいとこに泊まるのがいいと思って。

それに部屋に温泉ついてるのに
こだわったのは他の人に彩明あやあき
見られたくないから。

あんなエロい体見たら
変な気をおこす輩の1人や2人…
何十人もいそう…」






「ちょっと、何言ってるの~
そんなわけないじゃんか!

…怒る、というか…。
俊詩としふみはいいの?さっきみたいに
好奇の目で見られても…。」






「ん?別に。逆に見せつけて
やりたいと思うよ。
俺、こんなに可愛い人と
愛し愛されラブラブなんだぜ!って。」






俊詩としふみ!なによ!
可愛い、って…。も…。」






「だって可愛いもん。」




そう言って笑う俊詩としふみの笑顔に




(あなたのほうが可愛いよ。)
 


そう思い、顔を真っ赤にした彩明あやあき








「ん?ん?今何考えたの?」




「なっ!なんでもない…」




「えー!教えてよぉ!」




彩明あやあきの頬をつねろうとする俊詩としふみ





「ちょ!ダメだって!」




「ねぇ~ったら!」





「ん、もう…。……………のは
…………みのほうだって言ったの!」




「え?聞こえない。」




耳をぐっと近くに寄せてくる俊詩としふみ





「可愛いのはとしふみのほうだ、って
言ったの!」








パシッ、とパンフレットで
俊詩としふみの顔を叩き
彩明あやあき

「あ、あれ美味しそう!」と
赤い顔を誤魔化しつつ走っていく。






「え…。」ぽかーんと佇む俊詩としふみ
意味がわかってカッと
顔が熱くなった。






(俺が?可愛い、って…)






手にソフトクリームをふたつ持って
彩明あやあきが帰ってきた。






「はい!チョコと抹茶と
どっちがいい?」






「………ど、どっちも!」






「欲張り~!ふふ。じゃ、半分こね。
ほら先にこっち食べて。
ちゃんと半分残しといてよ?」





はい、とソフトクリームを
渡しチョコアイスをひと舐めして
微笑む彩明あやあきの唇を
思い切り奪いたい衝動を
なんとかこらえた俊詩としふみ
抹茶のソフトクリームを受け取った。
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