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悲しい愛の告白

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優しい微笑みで俊詩としふみ
彩明あやあきを見てくれていた。












神田かんだくん…。
僕…。僕は。」

息を大きく吸う。

神田かんだくんのことが
好きです。ずっと。ずっと。
ずっと前から。愛して、います。」









「ちょ…。………………神宮寺じんぐうじ…。」









「僕は…僕は…。僕自身として…
神宮寺彩明じんぐうじあやあきとして
神田俊詩かんだとしふみを愛しています。」







涙が頬を伝う。









俊詩としふみは突然の彩明あやあきの告白に
呆然としていた。









「……………。待って。神宮寺じんぐうじ…。あの…。」











神田かんだくん。
僕を愛してください。
アキじゃなく。僕を。」









「っ…。な、んでお前が
アキの名前を知ってん、の…?」













「アキは…アキは…僕です。
僕なんです!」










「…なんだよ、それ。
そんなわけないじゃん!
どういうことだよ!







ハッ!






…もしかして!
アキになんかしてるのは
お前か?そうなのか?!
おい!神宮寺じんぐうじ
アキに何したんだよ!
なんだってんだよ!」







「か…んだ、くん……。そ、んな…」








「おい、神宮寺じんぐうじ
アキをどこへやった!」








俊詩としふみ彩明あやあきの胸ぐらに
つかみかかって揺さぶった。










「おい!なんとか言えよ!
アキは…アキはどこだよ!

おい!神宮寺じんぐうじ!!!

お前、アキになにしたんだよっっ!」









「…アキは僕だ!
僕の…もうひとつの人格…。

彩明あやあき、のアキだ!




アキは僕の中にいる…。」









「そんなわけ!
そんなわけねぇじゃん!

何言ってんだ、お前!

アキを…アキをどこへやったんだ!






アキ!アキ…!」








彩明あやあきはメガネを外した。

「これで…わかる、でしょ…?」







「!!!!!!!!!アキ…?

で、でもっ!声が違う!
お前はアキ、じゃない!
似てるけど、アキじゃないよ!

俺のアキは…俺のっ!
俺のアキは…もっと高い声で
もっとやわらかくて……………。」








「人格が変わると声色も変わる。
話し方や仕草も変わるんだ。」











「そんなわけ!そんなこと!
あるわけないじゃん!

お前、なに?今日…
エイプリルフールじゃない、よ?

なにふざけてんの?

そんなやつじゃ、ないじゃん…

神宮寺じんぐうじ

あ!お前の双子の弟とか!
そうだろ?そうなんだろ?

おい、なんとか言え!
本当のことを言えよ!」








「か、んだくん、は僕が、嫌、い?」










神宮寺じんぐうじ。お前には…
あまり深く話したことないのに
妙に親愛の情を感じていたよ。





でも、それとこれとは…。





俺はアキを愛してるんだよ!

アキは俺の前世からの恋人だ!




ずっと、ずっと!
ずっと愛してるんだ!

やっと会えたんだ!アキ…。




アキに会わせてくれよ!
なぁ!神宮寺じんぐうじ




おい、どこにいるか
知ってるんだろ?おい!って!」








「アキ、は………

ボク、ノ、ナ、カ…
ボ、クハ、ア、キ……………
カン、ダクン…カンダクン…
カン、ダクン…カン…



神田かんだくんはアキがいいんだね。



アキに会いたい?
僕がいなくなっても
アキがいいんだよね?

アキがいれば幸せ?


ねぇ、神田かんだくん。





アキがいれば幸せ?
アキに会いたい?」







「……………………神宮寺じんぐうじ!!!







お願いだ…アキを……………
アキを、返して!
お願いだよ!

アキ!アキ!!!」













「う、わぁぁぁぁああああああああぁぁぁ!!!」













叫び、意識を落とした彩明あやあき
俊詩としふみは抱きとめた。



























「………………シュン。」
腕の中から愛しいひとの声がする。








「!!!ア……………キ!」








「シュン…シュンシュン!
会いたかった…ボクのシュン…。
キス、して。」









「あ!あああっ!」
俊詩としふみは思わず飛び退く。









俊詩としふみは絶句した。
今の今まで神宮寺じんぐうじ
話していた。
その神宮寺じんぐうじがアキに変わった…





自分の目の前でアキに…







「なっ…………………
なんなんだよぉぉぉ!
ああああああああぁぁぁ…!」









「………………シュン。」









「アキ…………なん、で…?
なにが、おき、てるの?
神宮寺じんぐうじが言ったこと本当、なの?」









「シュン…。シュンはどんな僕でも
愛してくれるって
言ったじゃない。

あれ、嘘だったの?」








「…………………………。」












「シュン!シュン…
ねぇ!シュン、ってば!」









「…。で…出ていってくれ…。」









「シュン…。」











「出ていけーーーーーっ!ハァハァ…」










「ああああああああぁぁぁ!」

アキはその場に崩れ落ち
気を失った。
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