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家族なんて思えない
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『僕は本当に勉強ばっかりで、息抜きも上手くなくて、毎日疲れきってて。でも、医者になりたい気持ちはあって、ずっと葛藤してました。誰かと一緒に住んで環境が変わればって思って。ここに来て結菜さんに会って、それから毎日励ましてもらったり、美味しい食事を作ってくれたり…それがすごく嬉しくて』
『当たり前だよ、そんなの』
『全然当たり前じゃないですよ。励ましたり、美味しい食事が作れたりって…本当に当たり前じゃないと思います。結菜さんのそういう姿が、疲れきってた僕に元気を与えてくれました』
嬉しいよ、そんな風に言ってもらって…
『文都君、本当に頑張ってる。想像もできない世界だけど、誰かを助けたいと思ってお医者さんを目指してるその志、私はいつだって尊敬してるよ』
『本当にありがとう。結菜さんの元気で温かい言葉で、僕は前向きになれました。結菜さんが変えてくれたんです。いつしかあんなに悩んでた勉強も嫌じゃなくなりました。逆に頑張りたいって思えるようになったんです』
『文都君、でもね。私は…不倫をするような最低な女だよ』
『最低なんかじゃないです。健太さんが…悪いと思います。結菜さんを泣かすようなことしたんですから。男として最低です。ただ…結菜さんがあの人に出会う前に…僕は結菜さんと出会いたかったです』
『文都君…そうだね。私も先に文都君に出会いたかった…そしたらきっと…』
今更、後悔しても始まらない。
自分がまいた種なんだから。
『でも、今、結菜さんに告白できて良かったです。絶対に言えないって思ってましたから。こんなに誰かを好きになったの…僕、生まれて初めてです』
『文都君…』
『僕と付き合って下さい!…なんて、言いません。結菜さんを困らせたら…罰が当たりますから』
そんなこと言われたらドキドキしてしまう。
文都君の言葉に、私、キュンとしたよ。
『すみません。告白してる時点でもう困らせてますよね…』
苦笑いの文都君。
眼鏡の奥の瞳が可愛い。
『ううん、大丈夫。上手く言えないけど、でも…ありがとう。文都君の気持ち、嬉しいよ』
『当たり前だよ、そんなの』
『全然当たり前じゃないですよ。励ましたり、美味しい食事が作れたりって…本当に当たり前じゃないと思います。結菜さんのそういう姿が、疲れきってた僕に元気を与えてくれました』
嬉しいよ、そんな風に言ってもらって…
『文都君、本当に頑張ってる。想像もできない世界だけど、誰かを助けたいと思ってお医者さんを目指してるその志、私はいつだって尊敬してるよ』
『本当にありがとう。結菜さんの元気で温かい言葉で、僕は前向きになれました。結菜さんが変えてくれたんです。いつしかあんなに悩んでた勉強も嫌じゃなくなりました。逆に頑張りたいって思えるようになったんです』
『文都君、でもね。私は…不倫をするような最低な女だよ』
『最低なんかじゃないです。健太さんが…悪いと思います。結菜さんを泣かすようなことしたんですから。男として最低です。ただ…結菜さんがあの人に出会う前に…僕は結菜さんと出会いたかったです』
『文都君…そうだね。私も先に文都君に出会いたかった…そしたらきっと…』
今更、後悔しても始まらない。
自分がまいた種なんだから。
『でも、今、結菜さんに告白できて良かったです。絶対に言えないって思ってましたから。こんなに誰かを好きになったの…僕、生まれて初めてです』
『文都君…』
『僕と付き合って下さい!…なんて、言いません。結菜さんを困らせたら…罰が当たりますから』
そんなこと言われたらドキドキしてしまう。
文都君の言葉に、私、キュンとしたよ。
『すみません。告白してる時点でもう困らせてますよね…』
苦笑いの文都君。
眼鏡の奥の瞳が可愛い。
『ううん、大丈夫。上手く言えないけど、でも…ありがとう。文都君の気持ち、嬉しいよ』
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