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もう一つの告白
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『うん。祥太君のピアノ、本当に素晴らしいから、いつかお父様にも聞いてもらえたらいいね』
祥太君の笑顔、とっても優しい。
『ありがとう。俺、結菜ちゃんには健太さんがいるって…ちゃんとわかってる。だから、今は片思いでも仕方ないって思ってるよ。でも、俺の気持ちは伝えたかったんだ。勝手でごめん…』
『祥太君、ごめんね…ありがとう』
何とも言えない気持ちが湧き上がってくる。
『…でもさ、いつかは…っていう期待は持ってるから。俺、あきらめないよ。結菜ちゃんのこと』
『祥太君…』
祥太君は、うなづきながら、私の頭にポンっと触れた。
そして、また、微笑みながら歩き出した。
『ずるくてごめんね』
祥太君がポツリと言った時、もう雨は…あがっていた。
次の日、祥太君はお父さんと向き合って、勇気を出して気持ちを伝えた。
お父さんの答えはまだまだ厳しいものだったけど、祥太君の気持ち…ピアノへの情熱を否定はしなかったって。
前はピアノを止めろって言われてたらしいから、すごい進歩だと思う。
これからもずっと話をしていって、いつか必ずわかってもらうからって…
祥太君、すごく嬉しそうだったんだ。
電話の向こうの声が弾んでて、私まで幸せな気分になったよ。
うん、絶対に…お父様は認めてくれる。
あんな素敵なピアノを弾ける人は、他にはいない。
祥太君は、唯一無二の存在なんだから。
会社のあとを継ぐ人もちゃんと見つかって、全てが上手くいきますように…
今はそれを願いたい。
私に告白してくれた祥太君。
あなたが幸せなら、私…
それだけで嬉しいよ。
こんな私を好きだって言ってくれて、本当に…ありがとう。
祥太君の笑顔、とっても優しい。
『ありがとう。俺、結菜ちゃんには健太さんがいるって…ちゃんとわかってる。だから、今は片思いでも仕方ないって思ってるよ。でも、俺の気持ちは伝えたかったんだ。勝手でごめん…』
『祥太君、ごめんね…ありがとう』
何とも言えない気持ちが湧き上がってくる。
『…でもさ、いつかは…っていう期待は持ってるから。俺、あきらめないよ。結菜ちゃんのこと』
『祥太君…』
祥太君は、うなづきながら、私の頭にポンっと触れた。
そして、また、微笑みながら歩き出した。
『ずるくてごめんね』
祥太君がポツリと言った時、もう雨は…あがっていた。
次の日、祥太君はお父さんと向き合って、勇気を出して気持ちを伝えた。
お父さんの答えはまだまだ厳しいものだったけど、祥太君の気持ち…ピアノへの情熱を否定はしなかったって。
前はピアノを止めろって言われてたらしいから、すごい進歩だと思う。
これからもずっと話をしていって、いつか必ずわかってもらうからって…
祥太君、すごく嬉しそうだったんだ。
電話の向こうの声が弾んでて、私まで幸せな気分になったよ。
うん、絶対に…お父様は認めてくれる。
あんな素敵なピアノを弾ける人は、他にはいない。
祥太君は、唯一無二の存在なんだから。
会社のあとを継ぐ人もちゃんと見つかって、全てが上手くいきますように…
今はそれを願いたい。
私に告白してくれた祥太君。
あなたが幸せなら、私…
それだけで嬉しいよ。
こんな私を好きだって言ってくれて、本当に…ありがとう。
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