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あなたは一途に私に恋をする
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『そんなこと…またいつか来てくれればいいよ』
『そうしたいけど、ちょっと会うのは無理かな。会えばまた…その先を期待してしまう。本当にいつまでも俺はダメだな』
慧君は、それ以上、そのことに関して言葉を続けるのを止めた。
『ま、北海道で引き続き頑張ってく。体に気をつけて元気でいて。パン屋もあんまり無理しないように…雫ちゃんは頑張り過ぎるから。とにかく、小麦粉はこれからもずっと送るから』
『…うん。わかった…ありがとうね。これからもよろしくね。慧君も…元気でね』
私もそれ以上は…何も言わなかった。
みんなと過ごす楽しい夜は、あっという間に更けていった…
次の日、3人は早々と北海道に帰っていった…
短い滞在だったけど、来てもらって良かったと思う。
会うのは最後だとしても…
慧君とはずっと友達。
それに、あんこさんとはこれから先も大切な恩人として付き合っていくつもりだ。
『祐誠さん…また結婚記念日が巡って来たね』
『ああ。まさか正孝まで同じ日に式を挙げるなんて…』
『本当に…昨日は良い式だったね』
私達は、3人を見送ってから近くの散歩道をゆっくりと歩いた。
たまに時間が出来たらこうして2人で歩く。
『雫。俺、正孝に社長を譲ろうと思う』
祐誠さんは突然言った。
『決めたんだね…そっか…』
『ああ。父さんも年だし、俺が正孝を支えていく…社長を退いてもまだまだゆっくりは出来ないけど…』
『そうだね…祐誠さん、これからも正孝を守ってね』
『必ず。でも、あいつなら大丈夫。俺より根性がある。奥さんをもらって、ますます強くなる。俺がそうだったように。守るべき君が側にいてくれたから…俺はここまで頑張れた』
『そんな…』
私の支えは微々たるもの…
『本当だ。雫がいなければ、とっくに折れてた。だから正孝も…もう大丈夫。社長を十分任せられる』
『そうしたいけど、ちょっと会うのは無理かな。会えばまた…その先を期待してしまう。本当にいつまでも俺はダメだな』
慧君は、それ以上、そのことに関して言葉を続けるのを止めた。
『ま、北海道で引き続き頑張ってく。体に気をつけて元気でいて。パン屋もあんまり無理しないように…雫ちゃんは頑張り過ぎるから。とにかく、小麦粉はこれからもずっと送るから』
『…うん。わかった…ありがとうね。これからもよろしくね。慧君も…元気でね』
私もそれ以上は…何も言わなかった。
みんなと過ごす楽しい夜は、あっという間に更けていった…
次の日、3人は早々と北海道に帰っていった…
短い滞在だったけど、来てもらって良かったと思う。
会うのは最後だとしても…
慧君とはずっと友達。
それに、あんこさんとはこれから先も大切な恩人として付き合っていくつもりだ。
『祐誠さん…また結婚記念日が巡って来たね』
『ああ。まさか正孝まで同じ日に式を挙げるなんて…』
『本当に…昨日は良い式だったね』
私達は、3人を見送ってから近くの散歩道をゆっくりと歩いた。
たまに時間が出来たらこうして2人で歩く。
『雫。俺、正孝に社長を譲ろうと思う』
祐誠さんは突然言った。
『決めたんだね…そっか…』
『ああ。父さんも年だし、俺が正孝を支えていく…社長を退いてもまだまだゆっくりは出来ないけど…』
『そうだね…祐誠さん、これからも正孝を守ってね』
『必ず。でも、あいつなら大丈夫。俺より根性がある。奥さんをもらって、ますます強くなる。俺がそうだったように。守るべき君が側にいてくれたから…俺はここまで頑張れた』
『そんな…』
私の支えは微々たるもの…
『本当だ。雫がいなければ、とっくに折れてた。だから正孝も…もう大丈夫。社長を十分任せられる』
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