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可愛い笑顔とパン作りの楽しさ

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買ったパンを持ち込んで食べられるカフェも併設されて、木製のテーブルとイスで、木のぬくもりを感じながら、焼きたてのパンを食べることが出来る。


決まった時間になると、着ぐるみの可愛らしいウサギさんとクマさんが登場して、子ども達とのミニ撮影会も行われるらしく…


森の中の動物たちがパンの美味しい匂いにつられてやって来た…


そんな、ちょっとした物語を想像させる。


前田さん達は、本当に楽しいことを考えてくれて、私まで絵本の世界にいるような気持ちになって心が踊り出した。


パン教室は、その会場のすぐ隣に元々ある料理教室用のキッチンを使うことになってる。


パン売り場の世界観と同じ雰囲気を出すために、教室にも大きな木や動物やお花なんかを色画用紙で作って、壁面飾りとして貼り付けてくれて、可愛くて本当に子ども達が喜んでくれそうだ。


イベント開始数分前。


入口辺りには行列が出来る程、たくさんの人が並んでいる。


それを見たら「もうやるしかない!」と思わざるを得なかった。


私は、応援してくれてるみんなの顔を思い浮かべて自分に気合いを入れた。


パン教室の準備は完了してたから、1回目が始まるまで「杏」のスペースを手伝うことにした。


そこには店員が4人着いていて、他の人は百貨店ではなく「杏」にいて、あんこさん中心に総動員でパンを焼いていた。


夜中から大量に仕込みをして、どんどん焼き上げていった。


出来上がったパンを百貨店まで運ぶのも「杏」の従業員だけでは人手が足りなかった。


それを心配して、東堂社長がぜひ自分達にも運ぶのを手伝わせて欲しいと言ってくれて…


東堂製粉所の仕事もあるのにと、最初はあんこさんは断ったみたいだったけど…


それでもやりたいと言ってくれる社長の熱意に負けて、結局お願いすることになった。


間違いなく東堂社長は…頑張ってるあんこさんの役に立ちたい、支えたいと…そう思ってくれたんだ。
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