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励ましと感謝と涙

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『雫?』


向こうから声をかけてくれた。


当たり前だけど、耳に届く声は、慧君、希良君、祐誠さん…


みんな違う。


まるで、それぞれの個性を表すように…


本当に3人とも声まで素敵で…


例え目の前にいなくても、私をドキドキさせる。


『こんばんは、祐誠さん…』


『ごめん…遅くに申し訳ない』


『いえ、全然大丈夫です。祐誠さん、今、海外なんですよね?』


『ああ、ニューヨークにいる。今…夏時間の朝9時。そっちは…22時…だよな。もしかして寝てた?』


素敵…


ニューヨークなんて行ったことない…


祐誠さん、オシャレなニューヨーカーに混じっても絶対見劣りしない。


それどころか、女性はみんな振り向くだろうな…


『いえ、寝てないです。全然…まだまだ起きてます』


嘘ついちゃった…


『なら、良かった。今、アパレル事業の打ち合わせでこっちに来てる。イベントのこと…前田君達に任せて、雫にもなかなか連絡出来ずにすまなかった』


『いえ…時々もらってたメールに励まされてますから。祐誠さんが忙しくされてることは前田さんから常に聞いてます。私が聞かなくても…全部教えてくれて…』


私は、ちょっと笑った。


『同じだ。俺にも雫のこと、聞かなくても話してくれてる。イベントの準備も進んでるみたいだし、前田君は…本当に良くやってくれてる。雫も…いろいろありがとう。頼むな』


祐誠さんの声、穏やかだ…


忙しくて疲れてるはずなのに…


『もちろん、頑張ります。祐誠さんに恥をかかせないようにしなきゃって張り切ってますよ』


『…』


え…黙ってしまった?


『どうかしましたか?大丈夫ですか!祐誠さん!?』


嫌だ、疲労で倒れたとか!?


『…会いたい』


え…


『…祐誠さん?』


『…雫の声だけでもって思ってたのに、声を聞いたら…欲張ってしまうな…』


そんなこと…


そんなこと言われたら…
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