あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~

けいこ

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花火が咲いた夜、君と見た景色~慶都side~

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持ちたくても持てなかった、こんなにもゆったりと流れるかけがえのない時間。


『あっ、金魚すくいがあります』


『やってみる?』


『はい』


そんな何気ない会話さえ、嬉しい。


この一瞬一瞬を噛み締めたいと思った。


ポイを持って金魚をすくう彩葉が可愛くてたまらない。


『慶都さんも、早く』


『あっ、ああ』


まるで2人とも童心に返った気分になる。


この前の夏祭りの子ども達みたいに。


『また逃げられちゃいました』


『じゃあ、俺はこの黒いのを…うわっ』


『あ~慶都さんも逃げられちゃいましたね』


『次はこの赤いの』


『慶都さん、金魚をすくうのに必死になってませんか?』


顔を見合わせ笑う、彩葉のこんな屈託のない笑顔…初めて見た。


心から笑う顔がとても眩しくて、俺は、大切で愛くるしいこの人の頬に…そっと触れたくなった。


『次は何か食べる?』


『はい、私、あれが食べたいです』


『冷やしパイン?』


『はい、子どもの頃から大好きなんです』


『じゃあ食べよう』


2人で冷やしパインを食べながら歩く道。


たくさんの人で賑わってる中を、隣同士、くっつきながら進む。


時々、袖が触れ合う度に彩葉との距離を近く感じ、それだけで胸が高揚する。


ずっとずっと…君が好きだった。


言えなくて胸に閉じ込めた淡い想い。


そんな想いはいつしかどんどん大きくなって…


気づけば、彩葉を女性として意識するようになっていた。


他の誰も目に入らないくらい、毎日毎日、君を想った。


簡単に会うことが出来ないもどかしさに苦しみ、それでも、一堂家で君に会えた時の嬉しさは…


何ものにも変え難い喜びだった。


今、大好きな人が隣にいて、こんなにも心臓の鼓動が早くなって…


この気持ちが、紛れもなく今の俺の全てだと確信する。


俺は、ただこの人を…真剣に愛してるんだ。
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