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夏の雨と共に現れたあなた
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『ごめんなさい』
『そうやってまた謝る。今からでいいから、ちゃんと慶都って呼んで欲しい』
『…わ、わかりました』
『いい子だ。これでお互い名前で呼び合える。さあ、呼んでみて』
『えっ!今ですか?』
『ああ、今』
『…あっ、えっと…』
『恥ずかしがらないで』
『は、はい…け、慶…都さん』
『いいね。彩葉、これからはちゃんと慶都って呼ぶこと』
慶都さん…は、私を「彩葉」と呼び、妹を「麗華ちゃん」と呼ぶ。
それは、私が好かれてないからなの?って、ちょっと思ってた時期がある。
私は、正当な一堂家の人間じゃないから…
だけど、慶都さんはそんな風に身分で人を判断するような人じゃないって、今はわかってる。
『待ってるから、必ずまた連絡して』
私達はカフェを出て、車でまた保育園まで戻った。
雨は…まだ止まない。
激しくも緩やかにもならず、一定のペースで降り続いてる。
『ありがとうございます、また保育園まで戻って頂いて』
『いや、気にしなくていい。今度は、雪都に会えるのを楽しみにしてるから。じゃあまた』
慶都さん…
まだこんなにも胸が熱いよ。
ずっとずっと止まらない鼓動。
私、今日、あなたに会えたこと…素直に喜んでもいいのかな?
『そうやってまた謝る。今からでいいから、ちゃんと慶都って呼んで欲しい』
『…わ、わかりました』
『いい子だ。これでお互い名前で呼び合える。さあ、呼んでみて』
『えっ!今ですか?』
『ああ、今』
『…あっ、えっと…』
『恥ずかしがらないで』
『は、はい…け、慶…都さん』
『いいね。彩葉、これからはちゃんと慶都って呼ぶこと』
慶都さん…は、私を「彩葉」と呼び、妹を「麗華ちゃん」と呼ぶ。
それは、私が好かれてないからなの?って、ちょっと思ってた時期がある。
私は、正当な一堂家の人間じゃないから…
だけど、慶都さんはそんな風に身分で人を判断するような人じゃないって、今はわかってる。
『待ってるから、必ずまた連絡して』
私達はカフェを出て、車でまた保育園まで戻った。
雨は…まだ止まない。
激しくも緩やかにもならず、一定のペースで降り続いてる。
『ありがとうございます、また保育園まで戻って頂いて』
『いや、気にしなくていい。今度は、雪都に会えるのを楽しみにしてるから。じゃあまた』
慶都さん…
まだこんなにも胸が熱いよ。
ずっとずっと止まらない鼓動。
私、今日、あなたに会えたこと…素直に喜んでもいいのかな?
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