あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~

けいこ

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夢ですか?この運命を変える程の出会いは…

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私は突然現れた九条さんに声をかけられ、フラっとして体制を崩してしまった。


咄嗟に私を抱きとめた九条さんの胸のあたりからほのかに漂う大人の香り。


ネクタイの裏にそっとつけているのか…


エレガントで優しい甘さ、ウッディ系のセクシーな香水の香りに余計にクラクラしてしまう。


「ちょっと最近貧血気味で…少し休めば楽になりますから。すみませんでした、大丈夫です、もう行ってください」


仕事中の九条さんに迷惑はかけられない。


「休めば楽になるなら、ちゃんと休めるところに行こう」


「えっ?」


九条さんは私を支えながら立たせ、そのまま乗ってきた車の方に向かった。


「あ、あの、ちょっと」


「すぐ近くに俺のマンションがある。そこで休めばいい。こんなところで1人で休んで何かあったら大変だろ」


「あっ、でも、大丈夫です。本当に…」


「あっ、あっ」


私の言葉を無視してるのか、あれよあれよという間に九条さんの車の助手席に座らされた。


「シートベルトして」


「は、はい」


私は、つい言われるままにシートベルトを付けてしまった。


そこからほんの数分で、九条さんが住む立派なマンションに到着。


支えられたままエレベーターで上がり、気づけば部屋のリビングまで入り込んでいた。


そんな九条さんの強引さに驚きながらも、私は結局逆らうことなく豪華でフカフカなソファに座った。


「横になって構わない。楽にして」


「あ、ありがとうございます」


まだフラっとする体をソファの背もたれに預けると、体を包み込むような優しい感じにホッとした。


九条さんはキッチンの冷蔵庫から高級なビンを取り出し、馴れた手つきで栓抜きを使って蓋を取った。


私の目の前で綺麗な透明なグラスに注がれていくその水は、まるでワインか何かのように思えた。


ビンに入った水を飲むなんて初めて。


「いただきます」


ただの水なのに緊張する。


ん、まろやかで美味しい。
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