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大好きなみんなと
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絢斗の声が聞こえて、それが力になった。
いよいよ分娩室に入って、すぐに出産準備になった。
先生と看護師さんが、優しく冷静に声を掛けてくれた。
『大丈夫ですからね』
『今、ヒーヒーフー』
『はい、いきんで!』
言われるまま、その通りにした。
立ち会い分娩で、絢斗がいて正直恥ずかしい。
きっと、必死の形相に絢斗も驚いてるだろう。
でも、今はそれどころじゃなかった。
とにかく、何度かいきんで頭が出たようで、そこからはあっという間だった。
スルッと身体全部が出て、ようやく私は痛みから解放された。
『おめでとうございます!元気な男の子ですよ、よく頑張りましたね』
その言葉を聞いて、私は恥ずかし気もなく号泣した。
絢斗が私の手を握ってる。
『よく…頑張った。ありがとう、本当に…ありがとう』
絢斗も、少し泣いてた。
初めて見たよ、絢斗の涙。
2人ともホッとしたんだと思う。
赤ちゃんの処置をして、看護師さんが私達に顔を見せてくれた。
『可愛い…』
あまりの愛おしさに、また泣けた。
待ち焦がれた赤ちゃんに…
やっと、出会えた。
数日の入院の後、私は退院して赤ちゃんと共に家に戻った。
それからしばらくはてんてこ舞いの日々。
子育てに悪戦苦闘しながら、絢斗の助けもあり、何とか頑張れた。
コンシェルジュの方が楽かも…なんて、たまに思いながらも、やっぱり子どもの可愛さには何も敵わなかった。
『深月北斗(みつきほくと)君。ただいま…』
北斗と名付けた我が子も1歳になり、少しずつ言葉も出てきた。
『パパ、パパ』
『北斗、今日も元気だったか?』
北斗を抱きかかえ、頬ずりする絢斗。
この時の絢斗は心からお父さんになっていた。
副社長でも、旦那さんでもなく…
優しくて、頼もしいお父さん。
いよいよ分娩室に入って、すぐに出産準備になった。
先生と看護師さんが、優しく冷静に声を掛けてくれた。
『大丈夫ですからね』
『今、ヒーヒーフー』
『はい、いきんで!』
言われるまま、その通りにした。
立ち会い分娩で、絢斗がいて正直恥ずかしい。
きっと、必死の形相に絢斗も驚いてるだろう。
でも、今はそれどころじゃなかった。
とにかく、何度かいきんで頭が出たようで、そこからはあっという間だった。
スルッと身体全部が出て、ようやく私は痛みから解放された。
『おめでとうございます!元気な男の子ですよ、よく頑張りましたね』
その言葉を聞いて、私は恥ずかし気もなく号泣した。
絢斗が私の手を握ってる。
『よく…頑張った。ありがとう、本当に…ありがとう』
絢斗も、少し泣いてた。
初めて見たよ、絢斗の涙。
2人ともホッとしたんだと思う。
赤ちゃんの処置をして、看護師さんが私達に顔を見せてくれた。
『可愛い…』
あまりの愛おしさに、また泣けた。
待ち焦がれた赤ちゃんに…
やっと、出会えた。
数日の入院の後、私は退院して赤ちゃんと共に家に戻った。
それからしばらくはてんてこ舞いの日々。
子育てに悪戦苦闘しながら、絢斗の助けもあり、何とか頑張れた。
コンシェルジュの方が楽かも…なんて、たまに思いながらも、やっぱり子どもの可愛さには何も敵わなかった。
『深月北斗(みつきほくと)君。ただいま…』
北斗と名付けた我が子も1歳になり、少しずつ言葉も出てきた。
『パパ、パパ』
『北斗、今日も元気だったか?』
北斗を抱きかかえ、頬ずりする絢斗。
この時の絢斗は心からお父さんになっていた。
副社長でも、旦那さんでもなく…
優しくて、頼もしいお父さん。
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