最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます

けいこ

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遥か遠い国で

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でも、それも山内さんには言えなくて、私は苦笑いをした。


絢斗と空港に向かってる間も、私は本当に今から旅行に行くの?って、まだ信じられない気持ちでいっぱいだった。


『フランス…行くんですよね』


『…そうだな、フランスだ』


そう言って、2人でなぜか顔を見合わせて微笑み合った。


あまりにゴールデンウィークが大変で、あっという間にこの日が来たことに、お互いがまだ心の準備が出来ていない感じだった。


飛行機に乗って到着したのは、フランスの首都パリのシャルル・ド・ゴール空港。


パリの玄関口であるフランス最大の空港だ。


リムジンバスを後目に、私達はグレースホテルパリの副総支配人、直々のお迎えを受けた。


『ようこそ、フランス、パリへ。グレースホテル東京の総支配人とコンシェルジュさんをお迎え出来、光栄です。さあ、お乗り下さい』


『わざわざありがとうございます。父から頼まれたんですよね。お忙しいのに申し訳ありません。しばらくの間、お世話になります。よろしくお願い致します』


絢斗が丁寧に言った。


それにしても、副総支配人はずいぶん流暢な日本語を話す方なんだな。


そのおかげで、私も普通に会話が出来るから有難かった。


『とんでもありません。グレースホテルグループの御曹司様ともあろう方が。どうぞ遠慮なく何でも申し付けて下さい。グレースホテルパリ一同、御曹司様のご宿泊と心得ておりますので』


少し年齢を重ねられたロマンスグレーの紳士。


さり気ない笑顔が素敵だ。


『ありがとうございます。私にはお気遣いなく。もちろん、普段のお客様と同様で結構です。こちらはコンシェルジュの松下一花さんです。彼女にはホテルの中も案内したいのですが、いろいろ見させていただいてもよろしいですか?』
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