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とても悲しい言葉

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私は席を外し、お手洗いで携帯をチェックしようとした。


バックの中を探したら、携帯がないことに気づいた。


『あ…しまった。テーブルに置いてきちゃった?』


私はすぐに席に戻った。


『一花…』


『え?』


『今、携帯の画面にGMって出たんだけど…まさか総支配人から電話?』


あ…


見られたんだ、どうしよう。


携帯を持って行かなかった私が悪いんだけど…


携帯カバー、わざわざ開けて見たの?


絢斗からの電話、仕事だって誤魔化せないよね。


いちコンシェルジュが、GM…総支配人と仕事後に連絡を取り合うなんておかしいし。


萌佳にはずっと恋愛相談もしたかった。


正直、絢斗の気持ちがわからない今、他の人の意見も聞いてみたかったから…


私は、これをチャンスと捉えて、思い切って萌佳に話そうと思った。


『あのね…萌佳』


『…うん』


『ちょっと相談したいことがあって。いいかな?』


『もちろん、何でも話して』


私は絢斗との出会い、一緒に住んだ経緯を大まかに萌佳に話した。


萌佳は、真面目な顔で真剣に聞いてくれた。


『そっか…ちょっとびっくりしたかも』


『そうだよね。びっくりするよね。正直、私もまだ信じられないから。だけど、私は…総支配人のことが…』


『本気なんだ?』


私はゆっくりうなづいた。


『でもさ。ちょっと…身分が違いすぎない?総支配人はグレースホテルの創始者の孫、しかも一人っ子の御曹司だよ。間違いなく、これから世界を股にかけて活躍する人材だよね。そんな人がさ…将来的に一花と本気で付き合って、ましてや結婚なんて有り得る?』


え?


萌佳…?


セリフも言い方も、何だかとても冷たく感じた。


どう返していいかわからないくらいに。


『やめた方が一花のためじゃない?今は、総支配人も優しいかも知れないけど、飽きたらきっと冷たくなるよ』
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