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同じ空間の2人
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この幸せが、あっという間にガラスみたいに粉々に砕けてしまったら、どんなに悲しいだろう。
考えるとすごく怖い。
絢斗の真意がまだわからないうちは、あんまり素直に喜ばない方がいいんだよね?
こんなに嬉しいのに…
私は、複雑にアップダウンする自分自身の定まらない感情を抑えるのに必死だった。
こんな不安定な自分をさらけ出して、絢斗に心配かけちゃ絶対にダメだから。
『一花。今日から俺達は一緒に住むんだ。窮屈にならないように、何か不便があったらすぐに言ってくれ。遠慮することは無い、いいな』
『はい…お気遣い、ありがとうございます』
『それから、食事は俺も料理が出来るから、時間がある方が作ることにしよう。2人が忙しい時は、外食なりテイクアウトなり、無理しないようにして。家事も同じ。本当に…一花には、ここにいる時はリラックスしていて欲しい』
優しいな…
絢斗は。
『はい、いろいろとありがとうございます』
『あと、話してたように、近々母にも会って欲しい』
そうだ…うん。
お母様に会うこと、そして、安心してもらうことが今回一緒に住む目的なんだもんね。
『わかりました。でも、本当に…その大役、私でいいんでしょうか?私と総支配人とでは、やっぱり…その…いろんな面で釣り合いが取れてないですから』
本心をそのまま言った。
『釣り合わないなんて誰が言った?一花なら、母も必ず喜んでくれる。母は、君みたいな優しい女性が好きなんだ』
優しい女性…
確かに嬉しいけど…
もしかして、絢斗は彼女役を性格で選んだのかな?
だったら、ものすごく納得出来る。
今までずっと、人には優しくしようって心がけてきたんだから。
そっか、そうだよね…
絢斗は、私に彼女役なんか頼んで無理させてるから、だから、今、いろいろ気を使って優しくしてくれてるだけなんだよね。
きっと、そうなんだ…
考えるとすごく怖い。
絢斗の真意がまだわからないうちは、あんまり素直に喜ばない方がいいんだよね?
こんなに嬉しいのに…
私は、複雑にアップダウンする自分自身の定まらない感情を抑えるのに必死だった。
こんな不安定な自分をさらけ出して、絢斗に心配かけちゃ絶対にダメだから。
『一花。今日から俺達は一緒に住むんだ。窮屈にならないように、何か不便があったらすぐに言ってくれ。遠慮することは無い、いいな』
『はい…お気遣い、ありがとうございます』
『それから、食事は俺も料理が出来るから、時間がある方が作ることにしよう。2人が忙しい時は、外食なりテイクアウトなり、無理しないようにして。家事も同じ。本当に…一花には、ここにいる時はリラックスしていて欲しい』
優しいな…
絢斗は。
『はい、いろいろとありがとうございます』
『あと、話してたように、近々母にも会って欲しい』
そうだ…うん。
お母様に会うこと、そして、安心してもらうことが今回一緒に住む目的なんだもんね。
『わかりました。でも、本当に…その大役、私でいいんでしょうか?私と総支配人とでは、やっぱり…その…いろんな面で釣り合いが取れてないですから』
本心をそのまま言った。
『釣り合わないなんて誰が言った?一花なら、母も必ず喜んでくれる。母は、君みたいな優しい女性が好きなんだ』
優しい女性…
確かに嬉しいけど…
もしかして、絢斗は彼女役を性格で選んだのかな?
だったら、ものすごく納得出来る。
今までずっと、人には優しくしようって心がけてきたんだから。
そっか、そうだよね…
絢斗は、私に彼女役なんか頼んで無理させてるから、だから、今、いろいろ気を使って優しくしてくれてるだけなんだよね。
きっと、そうなんだ…
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