最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます

けいこ

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桜散る前の幸せ

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真面目そうで、すごくお似合いの2人だと思った。


これからプロポーズされること、さくらさんは気付いてるのかな?


誕生日にグレースホテルだもんね、何か感じてるかも知れないけど…


ダメダメ、他の仕事にもちゃんと集中しなきゃ。


私は、朝からずっとソワソワしてる自分に喝を入れた。


順調に仕事も進み、気がつけばもう夕食の時間になっていた。


この時期は全てのレストランが満席。


フランス、イタリアン、中華…そして、日本食。


有名シェフ達が腕をふるう、様々なレストランがグレースホテル東京の自慢だ。


森田様はイタリアンを予約していた。


今頃、美味しいディナーを満喫していることだろう。


だけど、この後の大仕事を考えると、やっぱり…


せっかくの料理も楽しめてないかも知れないな。


そんな森田様のためにも、絶対このプロポーズは成功させたい。


改めて心からそう思った。


いよいよ私は茅野君と打ち合わせをしながら準備に取り掛かった。


今日のプロポーズの舞台。


それは、ホテルの敷地内にいくつもあるオシャレなフォトスポットの1つ。


そこには1本の桜の木があり、今、満開を迎えている。


朝も確認して思った、雨に打たれて全部散らなくて良かったって。


下からライトアップされた桜は、何とも幻想的な雰囲気に包まれている。


その場所に、普段は置かないテーブルとイスを用意した。


そうこうしてるうちに約束の時間がきて、食事を終えた森田様がさくらさんを連れてやってきた。


『すごく綺麗…』


さくらさんは桜の木を見上げて、その美しさにとても感動していた。


森田様、笑顔が消えてしまって大丈夫かな…


緊張が私にも伝わってくるよ。


お願い、頑張って…


祈るような気持ちで、私は陰から2人を見守っていた。
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