17 / 134
思いがけない出会い
5
しおりを挟む
思わず、目を輝かせて言った。
『別にたいしたことない。あと、その総支配人って連呼するの、やめてくれ』
『え?』
『俺は…深月 絢斗って言うんだ』
知ってるよ…もちろん。
3ヶ月前に総支配人としてホテルに来た時に自己紹介してて、それからずっと頭の中にあった名前。
『絢斗でいい。ホテル以外では、絢斗』
『あ、あ、あや…?そ、そんなそんな。名前で呼ぶなんて無理です!絶対に出来ません』
私は慌てて両手を振って、それに反抗した。
『面倒なやり取りは無駄なだけだ。絢斗でいい』
『そんな、強引ですよ。総支配人のことをジェネラルマネージャーかGMか…それ以外で呼ぶなんて…』
『それは役職だ。仕事上の呼び方はどれでもいい。でも、プライベートは絢斗だ。この一択。他に選択肢は一切無い』
選択肢はひとつって…
私は、本当に総支配人を絢斗って呼ばなきゃいけないの?
でも、もしかして、プライベートは他の誰でもそう呼んでるのかな?
海外では、きっとみんなに絢斗って呼ばれてたんだ。
慣れた呼び方をして欲しいって、ただそれだけなんだよね。
変に考えるからダメなんだよ。
うん、ここはせっかくだからフレンドリーに…
『じゃあ、失礼します。あ、絢斗…さん』
言っちゃった…
やっぱり、恥ずかしい。
『さんって…絢斗の一択だって言ったはずだ』
嘘、呼び捨て…?
でも…
ここまで頑張ったんだ、うん、あともう少し頑張ってみよう。
好きな人を名前で呼び捨てにする、こんな経験初めて…
『…絢斗…』
顔から火が吹き出しそうだった。
でも、そのあとすぐに、
『一花』
総支配人が、私を見てそう言ったんだ。
い、い、一花って!
私の下の名前知ってたの?
それにいきなり呼び捨てだし。
『別にたいしたことない。あと、その総支配人って連呼するの、やめてくれ』
『え?』
『俺は…深月 絢斗って言うんだ』
知ってるよ…もちろん。
3ヶ月前に総支配人としてホテルに来た時に自己紹介してて、それからずっと頭の中にあった名前。
『絢斗でいい。ホテル以外では、絢斗』
『あ、あ、あや…?そ、そんなそんな。名前で呼ぶなんて無理です!絶対に出来ません』
私は慌てて両手を振って、それに反抗した。
『面倒なやり取りは無駄なだけだ。絢斗でいい』
『そんな、強引ですよ。総支配人のことをジェネラルマネージャーかGMか…それ以外で呼ぶなんて…』
『それは役職だ。仕事上の呼び方はどれでもいい。でも、プライベートは絢斗だ。この一択。他に選択肢は一切無い』
選択肢はひとつって…
私は、本当に総支配人を絢斗って呼ばなきゃいけないの?
でも、もしかして、プライベートは他の誰でもそう呼んでるのかな?
海外では、きっとみんなに絢斗って呼ばれてたんだ。
慣れた呼び方をして欲しいって、ただそれだけなんだよね。
変に考えるからダメなんだよ。
うん、ここはせっかくだからフレンドリーに…
『じゃあ、失礼します。あ、絢斗…さん』
言っちゃった…
やっぱり、恥ずかしい。
『さんって…絢斗の一択だって言ったはずだ』
嘘、呼び捨て…?
でも…
ここまで頑張ったんだ、うん、あともう少し頑張ってみよう。
好きな人を名前で呼び捨てにする、こんな経験初めて…
『…絢斗…』
顔から火が吹き出しそうだった。
でも、そのあとすぐに、
『一花』
総支配人が、私を見てそう言ったんだ。
い、い、一花って!
私の下の名前知ってたの?
それにいきなり呼び捨てだし。
1
お気に入りに追加
113
あなたにおすすめの小説
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
捨てられた彼女は敏腕弁護士に甘く包囲される
あさの紅茶
恋愛
老舗のカフェを引き継いだ莉子。
一緒に頑張りたいと言った同級生の雄一。
それなのに、雄一のモラハラと、まさかの裏切り――
「うち、来ますか?」
救ってくれたのはカフェの常連客である弁護士の石井穂高。
甘くて優しい言葉が、傷心の莉子を癒していく――
佐倉莉子(28)
×
石井穂高(31)
*****
このお話は他のサイトにも掲載しています。
冷徹上司の、甘い秘密。
青花美来
恋愛
うちの冷徹上司は、何故か私にだけ甘い。
「頼む。……この事は誰にも言わないでくれ」
「別に誰も気にしませんよ?」
「いや俺が気にする」
ひょんなことから、課長の秘密を知ってしまいました。
※同作品の全年齢対象のものを他サイト様にて公開、完結しております。
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

手を伸ばした先にいるのは誰ですか~愛しくて切なくて…憎らしいほど愛してる~【完結】
まぁ
恋愛
ワイン、ホテルの企画業務など大人の仕事、そして大人に切り離せない恋愛と…
「Ninagawa Queen's Hotel」
若きホテル王 蜷川朱鷺
妹 蜷川美鳥
人気美容家 佐井友理奈
「オークワイナリー」
国内ワイナリー最大手創業者一族 柏木龍之介
血縁関係のない兄妹と、その周辺の何角関係…?
華やかな人々が繰り広げる、フィクションです。
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
私を溺愛してくれたのは同期の御曹司でした
日下奈緒
恋愛
課長としてキャリアを積む恭香。
若い恋人とラブラブだったが、その恋人に捨てられた。
40歳までには結婚したい!
婚活を決意した恭香を口説き始めたのは、同期で仲のいい柊真だった。
今更あいつに口説かれても……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる