最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます

けいこ

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総支配人への想い

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『申し訳ありません。しばらくお待ちください』


コンシェルジュカウンターにスペイン語を話すお客様が来られた。


近くにスペイン語を話せる従業員がいなかったので、私はすぐに話せる人を呼ぼうとした。


その時、私の前を颯爽と通り過ぎる1人の男性がいた。


『総支配人!』


その呼び掛けにすぐに反応して、総支配人がこっちに来てくれた。


『スペイン語、お願いします』


それだけ言うと、あっという間に会話が始まった。


お客様も、完璧なスペイン語を話す目の前の男性に感心したようで、笑顔で握手をかわし、満足そうにその場を離れていった。


『ありがとうございました』


我がグレースホテル東京の総支配人、深月 絢斗(みつき あやと)。


29歳にして総支配人なんて本当なら有り得ないかも知れないけど…


この人は、このグレースホテル東京の創始者、深月 栄作の孫に当たる、つまりは…


そう、深月グループの跡継ぎである御曹司なんだ。


『松下さん。お客様から、あなたの対応が素晴らしかったとのお声を頂いてます。これからもお客様第一で頑張って下さい』


嘘…


初めて総支配人に褒めてもらえた。


素直に嬉しい。


『ありがとうございます。はい、お客様の笑顔のために頑張ります』


『よろしくお願いします』


総支配人はクールではあるけど、決して冷たい感じはしない。


いつも変わることない紳士的な立ち居振る舞い。


グレースホテル東京の全てを取り仕切る、最高責任者としての覚悟みたいなものを感じる。


こんな素晴らしい人のもとで働けるなんて、私は本当に幸せだ。


今や、世界各地に点在するグレースホテル。


深月グループといえば世界でもトップクラスの超一流企業だ。


現在は、総支配人のお父様が、社長としてホテルグループをまとめている。
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