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afterstory 七海先生の決心
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『あなたと一緒にいたかった。でも、やっぱり…苦しくて』
『…』
『優し過ぎるよ…毎日毎日慶吾さんに優しくされて、私…』
『…君は毎日頑張ってる。家事を完璧にして、僕の帰りを待ってくれて。優しくするのは当たり前だよ』
そう、君は頑張ってる。
『ただ優しいだけじゃ…私は嫌だよ。側にいてくれればそれでいいって思ってたのに。でもあなたの中にはいつも他の誰かがいて。私はどんどんあなたを好きになるのに、あなたは…ますます違う方を見て…もう…耐えられない』
泣き崩れる君に、僕は何も言えなかった。
結婚の意味…
今でも僕にはわからない。
この人と一生、2人で生きてゆく覚悟はしたつもりだったのに。
なのに…
いつだって彼女の笑顔が浮かんでくる。
自分は異常なのかと悩みもした。
でも…
結婚してさらに、こんなにも藍花ちゃんを想っていた自分に気付かされた気がして…
『…ごめん。本当に…ごめん』
目の前で号泣するこの人の背中に手を置く。
すごく震えてて、泣き声が切なくて…僕の心臓はとても痛くなった。
でも…
僕の何倍もこの人は…
ずっと、ずっと、苦しかったんだ。
僕達は…
数日後に離婚届を提出した。
産婦人科医として父の病院で働くことには何の迷いもない。
このままこの仕事に就いて、たくさんの命の誕生を見届けたい。
医師としてたくさんの患者さんの命も助けたい。
僕には…それしか出来ないから。
この世の中で1番大切な人をいつまでも想っていられるなら、それで僕は…幸せだ。
結婚したことへの後悔はないけど、あの人には申し訳ないことをした…
身勝手な僕の気持ちのせいで深く傷つけてしまった。
これからは…
もう誰とも「結婚」することは無い。
『先生、準備ができました。よろしくお願いします』
『わかった。すぐ行きます』
新しい命が、今…
また1つ、この世に生まれる。
『…』
『優し過ぎるよ…毎日毎日慶吾さんに優しくされて、私…』
『…君は毎日頑張ってる。家事を完璧にして、僕の帰りを待ってくれて。優しくするのは当たり前だよ』
そう、君は頑張ってる。
『ただ優しいだけじゃ…私は嫌だよ。側にいてくれればそれでいいって思ってたのに。でもあなたの中にはいつも他の誰かがいて。私はどんどんあなたを好きになるのに、あなたは…ますます違う方を見て…もう…耐えられない』
泣き崩れる君に、僕は何も言えなかった。
結婚の意味…
今でも僕にはわからない。
この人と一生、2人で生きてゆく覚悟はしたつもりだったのに。
なのに…
いつだって彼女の笑顔が浮かんでくる。
自分は異常なのかと悩みもした。
でも…
結婚してさらに、こんなにも藍花ちゃんを想っていた自分に気付かされた気がして…
『…ごめん。本当に…ごめん』
目の前で号泣するこの人の背中に手を置く。
すごく震えてて、泣き声が切なくて…僕の心臓はとても痛くなった。
でも…
僕の何倍もこの人は…
ずっと、ずっと、苦しかったんだ。
僕達は…
数日後に離婚届を提出した。
産婦人科医として父の病院で働くことには何の迷いもない。
このままこの仕事に就いて、たくさんの命の誕生を見届けたい。
医師としてたくさんの患者さんの命も助けたい。
僕には…それしか出来ないから。
この世の中で1番大切な人をいつまでも想っていられるなら、それで僕は…幸せだ。
結婚したことへの後悔はないけど、あの人には申し訳ないことをした…
身勝手な僕の気持ちのせいで深く傷つけてしまった。
これからは…
もう誰とも「結婚」することは無い。
『先生、準備ができました。よろしくお願いします』
『わかった。すぐ行きます』
新しい命が、今…
また1つ、この世に生まれる。
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