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新しい家族の誕生

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驚く程に安産で、スっと出てきてくれた赤ちゃんに感謝した。


可愛い産声をあげた我が子はどうしようもなく愛おしくて…無事に生まれたことに感動して涙が止まらなかった。


蒼真さんもパパになることを楽しみにしてたから、それが叶って嬉しかったんだよね…小さなその体を初めて腕に抱いた瞬間、大粒の涙がこぼれてた。


その顔を見て、私もまた泣く。


あの白川先生が涙を流すなんて!っていう感じなのかな?


周りにいた女医さんや看護師さんまでみんなもらい泣きで…


分娩室は感動の連鎖で温かな空気に包まれた。


入院中は中川師長や歩夢君、他の看護師達も部屋に寄ってくれて、赤ちゃんを抱っこして喜んでくれた。


歩夢君なんて毎日可愛い可愛いって来てくれて。


でも、私への気持ちなんかは決して口にせず、いつも優しく見守ってくれてる感じですごく有難かった。


赤ちゃんの名前はしばらくして蒼真さんが決めてくれた。


「蒼太(そうた)」


元気な男の子にピッタリの名前だと思った。


私が絶対に「蒼」という漢字を入れてほしいと頼んだんだ。


蒼真さんとは、気づけば急接近して付き合って、赤ちゃんまで授かって、結婚まで…


こんな人生設計、全くしてなかったのに。


あまりにも嘘みたいな展開に自分でも驚いてる。


とんでもないシンデレラストーリーに、私はまだ半分夢見心地なんだ。


だけど、ママになった自覚はちゃんと持たないとね。


本格的に子育てが始まり、慣れない家事をしながらの育児に戸惑いはあったけど、それでも毎日一生懸命頑張った。


夜泣きしたり、ミルクを飲まなかったり、眠れない日々が続いても、やっぱり我が子はとてつもなく可愛かった。
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