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もうひとつの別れ
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『ありがとうございました』
その言葉だけを置いて、春香さんはナースステーションを去った。
七海先生に続いて春香さんまで…しかもあまりに突然で驚いた。
私は、帰ろうとしていた春香さんを追いかけた。
少し話したいと言うと嫌な顔をされたけど…
結局、中庭で話すことになった。
『ごめんなさい。無理やりで』
今日で最後だと思うとどうしても聞いておきたかった。
春香さんが辞める理由を。
『何ですか?』
『春香さん、看護師辞めてこれからどうするの?好きな仕事だったんじゃ…』
『あなたには関係ないです…でも、はっきり言います。私はこの病院にいたくないんです。あなたのいるこの病院に』
『春香さん…私のせいで辞めちゃうの?』
そんなの…悲しすぎるよ。
『そうです。これ以上、あなたの顔を見たくないから。それに…来栖さんの顔も…』
『歩夢君のことも?』
『つらいです。あなたを好きな来栖さんを見てるのが。あなたに微笑みかけてるのを見たら…苦しいので。これ以上ここにいて、仕事に支障が出て迷惑かけるのも嫌なんです』
『…ごめん…なさい』
つらそうな春香さんの顔を見てたら、なぜか涙が出てきた。
『えっ…どうして?』
そんな私の突然の涙にびっくりしたみたいだった。
『ごめん、私、春香さんの気持ち…今なら少しわかるよ。つらいよね。好きな人が別の人を見てるのって。私もやっと本当に好きな人ができて、その人がもし…って考えたらやっぱり悲しいから』
『…』
『春香さんが歩夢君を想う気持ちが深いのはわかる。だからこそ私が許せないんだよね。でも…私にはこの状況をどうすることもできない。私は好きな人がいて、歩夢君のことは仲間だと思ってる。ただそれだけなの。私はこの仕事が好き。だから春香さんが辞めてしまうのすごく残念だよ』
その言葉だけを置いて、春香さんはナースステーションを去った。
七海先生に続いて春香さんまで…しかもあまりに突然で驚いた。
私は、帰ろうとしていた春香さんを追いかけた。
少し話したいと言うと嫌な顔をされたけど…
結局、中庭で話すことになった。
『ごめんなさい。無理やりで』
今日で最後だと思うとどうしても聞いておきたかった。
春香さんが辞める理由を。
『何ですか?』
『春香さん、看護師辞めてこれからどうするの?好きな仕事だったんじゃ…』
『あなたには関係ないです…でも、はっきり言います。私はこの病院にいたくないんです。あなたのいるこの病院に』
『春香さん…私のせいで辞めちゃうの?』
そんなの…悲しすぎるよ。
『そうです。これ以上、あなたの顔を見たくないから。それに…来栖さんの顔も…』
『歩夢君のことも?』
『つらいです。あなたを好きな来栖さんを見てるのが。あなたに微笑みかけてるのを見たら…苦しいので。これ以上ここにいて、仕事に支障が出て迷惑かけるのも嫌なんです』
『…ごめん…なさい』
つらそうな春香さんの顔を見てたら、なぜか涙が出てきた。
『えっ…どうして?』
そんな私の突然の涙にびっくりしたみたいだった。
『ごめん、私、春香さんの気持ち…今なら少しわかるよ。つらいよね。好きな人が別の人を見てるのって。私もやっと本当に好きな人ができて、その人がもし…って考えたらやっぱり悲しいから』
『…』
『春香さんが歩夢君を想う気持ちが深いのはわかる。だからこそ私が許せないんだよね。でも…私にはこの状況をどうすることもできない。私は好きな人がいて、歩夢君のことは仲間だと思ってる。ただそれだけなの。私はこの仕事が好き。だから春香さんが辞めてしまうのすごく残念だよ』
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