情熱的なあなたに抱かれ私は甘い夢を見る～新人看護師は無敵な外科医にしつけられてます～

本当のさよなら

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『先生…私、七海先生には本当に幸せになってほしいです。素敵なお相手と結婚して温かいご家庭を作って…だって七海先生は、こんなに立派でカッコよくて、優しくて仕事もできて、それから…』


『ありがとう、もう十分だよ。恥ずかしいね、そんなに言われると』


先生は照れたように笑った。


『本当ですよ。嘘じゃないです』


『…だけど、僕は白川先生に負けたんだ』


ドキッとした。


そして、その言葉は私の心に重くのしかかった。


『なんて、ちょっとイヤミっぽかったね。ごめんごめん』


私は首を横に振った。


『僕は…やっぱりどうしようもなく藍花ちゃんが好きだよ。君と温かい家庭を築きたかった。それに…君との子どもも…欲しいと思った』


七海先生と私の子ども…


嬉しい言葉ではあったけど、今の私にはそれを想像することはできなかった。


『子どもは宝物だからね。たくさんの人達がそう言ってるのを聞いてきた。産まれてくる赤ちゃんを抱きしめるお母さんの顔は、みんな幸せに満ちて。感動的で素晴らしい場面に立ち会えて僕は幸せだよ。だから…そういうのに憧れて、いつか藍花ちゃんと家族になれたらって…そう思ってしまったんだ』


新しい命の誕生に立ち会うって…


本当に尊いことだと思う。


『七海先生の気持ちはとても嬉しいです。私との未来を描いて下さって…でも…本当にすみません』


『いいんだ。白川先生は無敵なんだから。僕は彼には叶わない。昔からずっとそうだった…今に始まったことじゃないよ。誰も白川先生には勝てないんだ。あの人の魅力がほんの少しでも僕にあれば…』


『何を言うんですか！七海先生も魅力に溢れてます。白川先生とは違う魅力です。でもどっちもすごくて素敵だし、どっちが上とかないんです』


先生も首を横に振った。