情熱的なあなたに抱かれ私は甘い夢を見る～新人看護師は無敵な外科医にしつけられてます～

本当のさよなら

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七海先生の優しい笑みが、また少しずつ消えていく。


『すみません、本当に。七海先生のこと、私は…心から尊敬してます。先生に優しくしてもらったことは、ずっと忘れません』


七海先生は、私の人生の中でとても大切で貴重な時間を一緒に過ごした人。


例え、それがどんなに短い時間だったとしても、絶対に忘れられる訳ないよ。


『ありがとう。人として医師として尊敬してもらえるなら…それもまた嬉しいね。今まで頑張ってきてよかったよ』


『先生は素敵な人です。私なんかよりもっと良い女性が必ず見つかります。それに…お見合い相手の方は…』


『彼女はもちろんお断りしたよ。好きな人がいるからって。それでもまだ会いたいって言ってくれてるんだけどね』


『もう会わないつもりなんですか？』


『そうだね。会うつもりはないよ。君を想ってるのに他の女性に会うのは失礼だと思うから』


そんなの切ないよ。


その人は七海先生が好きで好きでたまらないのに…


『私のことがあってストップがかかってるとしたら、その人に申し訳ないです。ご両親が認めておられる女性なら、きっと素晴らしい人なんですよね』


七海先生は少し考えから口を開いた。


『確かに素晴らしい女性だと思うよ。僕にはもったいないくらいにね。でも、それでも…僕の心の中には藍花ちゃんがいるから』


『じゃあ、ハッキリ言います。私のことは、わ、忘れて下さい。私には…大切な人がいますから。その人の気持ちをちゃんと考えてあげてもらえませんか？すごく、すごく偉そうですけど…でも、私は…』


『ごめん』


『えっ…』


『それ以上は言わないでくれないか』


七海先生…


こんな表情と声のトーン、穏やかないつもの感じと違うよ。


『すみません…』


『謝らないで。君が僕の未来を考えてあえて厳しく言ってくれてるのはわかるよ。藍花ちゃんは本当はそんなこと言いたくないはずなのに。でも…僕もそんなに強くないから…』