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君の切ない告白と、とても悲しい言葉
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『どうだか。私…来栖さんには告白しません。フラレるの嫌ですから。あやうくあなたの罠にはまるところでした』
『罠にはめるなんて、私、絶対にそんなことしないから』
それは胸を張って言える。
『あなたみたいな男たらしを好きになるなんて来栖さんは可哀想です。その正体をバラしてやりたいです。早く…誰かと結婚して看護師辞めて下さい。その方が来栖さんは幸せです。私、あなたの顔みたくないので仕事に戻ります』
春香さんは言いたいことだけ言って、さっさとその場を去った。
靴音が止み、誰もいなくなって全部の音が消えた。
ポツンと1人…
深い静寂の中で、どうしようもなく胸が痛くて苦しくなった。
ねえ、なんでそんなひどいことが言えるの?
看護師を辞めろなんて、悔しくて悲しくて、私は両手のこぶしを握りしめながら泣いた。
冷たい雫がどんどん頬をつたって落ちる。
少し冷静になろう…
私は、数回深呼吸した。
今、腹を立てても仕方ない。
これからまた仕事に戻らなきゃいけないんだから。
大丈夫、大丈夫。
その時、頭の中に蒼真さんが浮かんだ。
私を優しく抱きしめて微笑む姿。
一気に気持ちが晴れていく…
そっか…
春香さんは、歩夢君を好き過ぎてあんなことを言ってるだけだ。
きっとそう。
だって、もし白川先生が誰かを好きだなんて聞いたら…私もヤキモチ妬いてしまうかも知れない。
ううん、ヤキモチじゃ済まない。
落ち込んで、闇の中に閉じ込められたみたいになっちゃう気がする。
それくらい好きな人を想うって…大変なんだ。
気持ちが自分でも上手くコントロールできなくて、時々おかしくなったりして。
ちょっと落ち着いて考えたら春香さんの気持ちもわかるのに、さっきはカーッとなってしまって…
『罠にはめるなんて、私、絶対にそんなことしないから』
それは胸を張って言える。
『あなたみたいな男たらしを好きになるなんて来栖さんは可哀想です。その正体をバラしてやりたいです。早く…誰かと結婚して看護師辞めて下さい。その方が来栖さんは幸せです。私、あなたの顔みたくないので仕事に戻ります』
春香さんは言いたいことだけ言って、さっさとその場を去った。
靴音が止み、誰もいなくなって全部の音が消えた。
ポツンと1人…
深い静寂の中で、どうしようもなく胸が痛くて苦しくなった。
ねえ、なんでそんなひどいことが言えるの?
看護師を辞めろなんて、悔しくて悲しくて、私は両手のこぶしを握りしめながら泣いた。
冷たい雫がどんどん頬をつたって落ちる。
少し冷静になろう…
私は、数回深呼吸した。
今、腹を立てても仕方ない。
これからまた仕事に戻らなきゃいけないんだから。
大丈夫、大丈夫。
その時、頭の中に蒼真さんが浮かんだ。
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一気に気持ちが晴れていく…
そっか…
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きっとそう。
だって、もし白川先生が誰かを好きだなんて聞いたら…私もヤキモチ妬いてしまうかも知れない。
ううん、ヤキモチじゃ済まない。
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それくらい好きな人を想うって…大変なんだ。
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