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最後に言わせてほしい
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『心に決めた人?』
『ああ。僕は…その人をずっと想ってた。だけど、なかなか気持ちを伝えることが出来なくてね。本当に情けない男だよ。でもね、やっぱり言おうと思う。だって…その人が今、僕の目の前にいるんだから』
『えっ』
先生の目の前って…
周りには誰もいないよ?
何、どういうこと?
『藍花ちゃん。僕は…君が好きだよ。ずっと…ずっと好きだった』
嘘…
七海先生…
そんなの…絶対、嘘だよ…
『これからもずっと君を見ていられると思ったし、少しずつ距離を縮められたらって思ってたのに…それが叶わなくなった。でも、もし君が、僕を少しでも受け入れてくれるなら…そしたら僕は、何もかも失ったって構わないと思ってるんだ』
先生…?
その真っ直ぐな想いに胸がキュンとなった。
でも…
全てを失くすなんて、どれだけ大変なことを言ってるのかわかってる?
『先生、そんな馬鹿なこと言わないで下さい。それがどれだけのことか私にだって想像出来ます。私には…そんな価値はありません。私は、先生みたいな立派な人とは釣り合わないですから』
七海先生には、産婦人科医としてこれからもたくさんの命をこの世に送り出す使命がある。
何もかも失うなんて、絶対にダメだよ。
『僕は藍花ちゃんを守りたい。守る価値のある人だと思ってる。本当だよ。君の笑顔は可愛くて太陽みたいに眩しい。そばにいるだけで元気になれる。僕は立派なんかじゃないし、まだまだ男としても何かが足りたいと思ってる。だから、釣り合わないなんて言わないで…』
七海先生の言葉に、どうしようもなく体が熱くなって…自然に涙がこぼれた。
向こうにはみんないるんだよ…
泣いちゃダメなのに…
どうしてこんなに切ないの?
『ああ。僕は…その人をずっと想ってた。だけど、なかなか気持ちを伝えることが出来なくてね。本当に情けない男だよ。でもね、やっぱり言おうと思う。だって…その人が今、僕の目の前にいるんだから』
『えっ』
先生の目の前って…
周りには誰もいないよ?
何、どういうこと?
『藍花ちゃん。僕は…君が好きだよ。ずっと…ずっと好きだった』
嘘…
七海先生…
そんなの…絶対、嘘だよ…
『これからもずっと君を見ていられると思ったし、少しずつ距離を縮められたらって思ってたのに…それが叶わなくなった。でも、もし君が、僕を少しでも受け入れてくれるなら…そしたら僕は、何もかも失ったって構わないと思ってるんだ』
先生…?
その真っ直ぐな想いに胸がキュンとなった。
でも…
全てを失くすなんて、どれだけ大変なことを言ってるのかわかってる?
『先生、そんな馬鹿なこと言わないで下さい。それがどれだけのことか私にだって想像出来ます。私には…そんな価値はありません。私は、先生みたいな立派な人とは釣り合わないですから』
七海先生には、産婦人科医としてこれからもたくさんの命をこの世に送り出す使命がある。
何もかも失うなんて、絶対にダメだよ。
『僕は藍花ちゃんを守りたい。守る価値のある人だと思ってる。本当だよ。君の笑顔は可愛くて太陽みたいに眩しい。そばにいるだけで元気になれる。僕は立派なんかじゃないし、まだまだ男としても何かが足りたいと思ってる。だから、釣り合わないなんて言わないで…』
七海先生の言葉に、どうしようもなく体が熱くなって…自然に涙がこぼれた。
向こうにはみんないるんだよ…
泣いちゃダメなのに…
どうしてこんなに切ないの?
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