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最後に言わせてほしい
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『そんな、修行だなんて。本当にお2人ともすごいです』
『藍花ちゃんは優しいね。ありがとう』
『い、いえいえ。だって、お医者さんになるには6年も医大に通わないとダメだし、研修期間もあって本当に大変ですもんね。そういうの、しっかり乗り越えて素晴らしいお医者さんになったんですから、心から尊敬です』
『看護師だって大変だよ。とても尊い仕事だと思う。産婦人科もそうだけど、どこの科の看護師も本当に良く動いてくれて感謝してるんだ。有難いよ』
七海先生は、どこまでも周りのことを褒めてくれる。
この優しさに毎日包まれる女性は、いつも心が温かくて幸せなのかも知れないね。
そんな人、今はいないって言ってたけど…
『藍花ちゃんとは、本当はもう少し一緒に仕事がしたかった。仕方ないけど…でもとても残念だよ』
『七海先生…』
そんな切ない目をしないで…悲しくなるよ。
『ありがとうございます。私ももっといろいろ教えてもらって勉強したかったです。あまり話す機会もなかったですから残念です。もう松下総合病院には戻られないんですか?』
また一緒に働ける時がきたらいいのに。
そんなこと思ったらダメなのかな…
『そうだね。松下院長には恩があるけど、実家の病院に入ればもうずっとそこで頑張ることになるかな。産婦人科がメインだけど、あと美容系もやっててね。父にどうしても戻ってほしいって懇願されて。松下院長にも背中を押してもらって…本当に有難い限りだよ。でも…』
少しの沈黙。
『先生?』
『…やっぱりもう少しだけ…』
七海先生は、思い詰めたように下を向いて唇を噛み締めた。
『…大丈夫…ですか?』
『ごめん、藍花ちゃん。本当は…君に伝えようか悩んでたことがあってね。でも、今日言わないともう二度と言えない気がするから…聞いてもらってもいいかな?』
そのとても優しい声にドキドキする。
『藍花ちゃんは優しいね。ありがとう』
『い、いえいえ。だって、お医者さんになるには6年も医大に通わないとダメだし、研修期間もあって本当に大変ですもんね。そういうの、しっかり乗り越えて素晴らしいお医者さんになったんですから、心から尊敬です』
『看護師だって大変だよ。とても尊い仕事だと思う。産婦人科もそうだけど、どこの科の看護師も本当に良く動いてくれて感謝してるんだ。有難いよ』
七海先生は、どこまでも周りのことを褒めてくれる。
この優しさに毎日包まれる女性は、いつも心が温かくて幸せなのかも知れないね。
そんな人、今はいないって言ってたけど…
『藍花ちゃんとは、本当はもう少し一緒に仕事がしたかった。仕方ないけど…でもとても残念だよ』
『七海先生…』
そんな切ない目をしないで…悲しくなるよ。
『ありがとうございます。私ももっといろいろ教えてもらって勉強したかったです。あまり話す機会もなかったですから残念です。もう松下総合病院には戻られないんですか?』
また一緒に働ける時がきたらいいのに。
そんなこと思ったらダメなのかな…
『そうだね。松下院長には恩があるけど、実家の病院に入ればもうずっとそこで頑張ることになるかな。産婦人科がメインだけど、あと美容系もやっててね。父にどうしても戻ってほしいって懇願されて。松下院長にも背中を押してもらって…本当に有難い限りだよ。でも…』
少しの沈黙。
『先生?』
『…やっぱりもう少しだけ…』
七海先生は、思い詰めたように下を向いて唇を噛み締めた。
『…大丈夫…ですか?』
『ごめん、藍花ちゃん。本当は…君に伝えようか悩んでたことがあってね。でも、今日言わないともう二度と言えない気がするから…聞いてもらってもいいかな?』
そのとても優しい声にドキドキする。
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