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久しぶりの日本

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「みんな元気だよ。琴音ちゃんが辞めてから何人かメンバーが変わったけど、相変わらずみんな仲がいいし、楽しく仕事してる。そうだ、店長は『AYAI』の社長になったのよ。今、本社でバリバリ頑張ってるらしいわ」


「そうなんですか、すごいですね」


綾井店長…社長になったんだ。


だったらきっと、今は高い理想を掲げて頑張ってるんだろうな。


「でも、イケメンがいなくなってみんな寂しがってるわ。私も店長、狙ってたんだけどなぁ」


「莉奈さん、店長のこと好きだったんですか?」


「言ってなかったかしら?  まあ、みんなが店長狙いだったもんね。琴音ちゃんは違ったけど」


「私は高校の時から好きな人がいたので」


「今の旦那様ね。素敵な旦那様でうらやましいわ。でも、綾井店長、あんなイケメンなのに、どうして結婚しないのかしらね?  相手はいくらでもいるはずなのに。このまま一生独身を貫くつもりなのかしら?  そんなのもったいないわよね」


店長はきっと…


いつかはトラウマを克服して、新しい恋ができるって信じたい。


「じゃあ、私、行くわね。向こうのテーブルに彼氏待たせてるから」


「そうだったんですか!  すみません、私、色々聞いてしまって…彼氏さん大丈夫ですか?」


「いいの、いいの、気にしないで。琴音ちゃん、旦那様とお幸せにね。鳳条グループの嫁なんて大変だろうけど、無理しないで。じゃあ!  会えて嬉しかったわ」


「私もです、ありがとうございました」


莉奈さんに会えて、思いがけず色々と話が聞けて良かった。


1人になって、私は今までのことを思い返してみた。


龍聖君と偶然に出会い、契約結婚して…両親の工場は救われた。


事故に合った時は死ぬほど不安になったけど、碧と綾井店長のおかげで、私は龍聖君を信じようと思えた。


プロポーズがあって、私達は本当の夫婦になって、桜木家も1歩前進することができた。


碧も絵麻ちゃんと幸せで、綾井店長も社長として頑張ってる。
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