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未来を決めた日

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瑞?
ちょっと、ソワソワしてる?


「どうかした?」


「愛莉、お前に渡したいものがある」


「え、何?」


さっき指輪はもらったのに……
瑞は、隣の部屋に何かを取りにいき、すぐに戻った。


「はい、これ」


「嘘……本当に?」


私の前に差し出されたのは、綺麗にラッピングされた赤い薔薇の花束だった。


「ずっと車のトランクに入れてた」


恥ずかしそうにネタばらしをする瑞。
年上の男性が唇を噛んで照れてる顔、ギャップでとっても可愛い。


私は、その花束を受け取って、思わず薔薇の数を数えた。
ちょうど11本――


「こんなことするなんて、ズルいよ……」


「言ってたよな、11本の薔薇の花言葉」


「えっ……私、そんなこと瑞に話したかな?   もしかして、それも覚えてたの?」


「ああ。難しい花の名前以外は、何だってちゃんと覚えてる」


瑞の優しい想いが胸に迫り、感動で胸が熱くなる。


「私のこと、そこまで大切に想ってくれてたんだね。いやだ……また涙が……」


止まらないよ……嬉し涙。
こんなこと、まさか自分がしてもらえるなんて夢にも思ってなかった。
花を贈られるって、こんなにも嬉しいんだね……


11本の薔薇の花言葉。


それは、


「最愛」


あなたを最も愛してる。
私も……
瑞と同じ気持ちだよ。


「俺、ずっと前から思ってた。お前とならどんな困難も乗り越えられるって。だから、これから先、いつも俺の側にいて俺のことだけ見ててくれ。あと、絶対に俺より先に死ぬな。万が一、万が一、愛莉が病気になったら……その時は必ず俺が治してやるから。だから何も心配するな。俺を信じて着いてきてくれ……一生、守るから」


愛情に満ち溢れたセリフ。
お医者さんの瑞がいれば、安心だよ……
私、今、宇宙一幸せだよね。


きっと、この瞬間は、他の誰よりも――


「ありがとう。私も、瑞を愛してる。本当に、大好き」
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