再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~

けいこ

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最悪な出会い

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温かいお湯の中で思わずため息をつく。
……ポカポカしてすごく気持ち良い。
私は目をつぶって、今日のことをいろいろ思い返した。


本当に……楽しい1日だった。
瑞は、すごく優しかったし、昔みたいに自然な雰囲気で遊べたのが嬉しかった。


それに、瑞は私の水着姿を褒めてくれた。
すごく胸の奥がキュンとした。
だけど、せっかくそんな最上級の褒め言葉をもらったのに、それを素直に受け入れられない自分もいた。


やっぱり……お世辞だったのかなって思う。


だって、残念だけど、あの人達にあんなにバカにされて笑われた水着姿を、瑞が本気で褒めてくれるわけないもんね……
私を悲しませないために、無理してたんだろう。
瑞は、そういうところ、本当に……優しいから。


いつだってそう。
私は、昔から何でも良い方に受け取れない。
自分に自信がないゆえに発生するマイナス思考と、致命的な経験の少なさ。
色んなことが、私の人生においての「幸せ」をとことん邪魔してる。
過去も、今も、きっと……未来も。


自分の気持ちがこんなにも弱気のままじゃ、結局、新しい恋もできないし、前には進めない。
わかってはいるんだけど……
ああ、もっと自分の卑屈な気持ちを弾き飛ばして、スカーっとした気分で生きてみたい。


そんな日がいつか私にも訪れるのかな?


「もう、出よっ」


湯船からあがり、脱衣場に1歩入ると、少し涼しくて気持ちが良い。
着替えて、髪を乾かして、いつもと同じようにアップにした。そして、軽く化粧もした。
もし、瑞が昔のままの容姿だったら、化粧なんてしないですっぴんでいたかも知れない。相手の見た目によって変えるなんて、考えてみたら失礼な話だ。


ごめんね……昔の瑞。


***


約束の時間ちょうどに待ち合わせ場所に行ったら、瑞はもう待っていた。


「ごめん、また待たせてしまって」


温泉が気持ち良すぎたのと、あと……色々考えていたせいで遅くなったことを申し訳なく思った。
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