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最悪な出会い

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そう吐き捨て、怒りの表情を浮かべながら、彼女のことを無理やり引っ張っていった。
若い彼女は振り向きながら、笑顔でこちらに手を振っている。
それは、間違いなく「瑞」に対するアプローチだ。
この状況で、どうして笑顔で手を振れるのか……私にはその気持ちが理解できない。


「愛莉、大丈夫か?」


「う、うん、大丈夫だよ。瑞……ごめんね、ありがとう。あの人はあんまり関わりたくない友人だったの。だから、あんな風に言ってもらって良かった。本当、助かったよ」


「あ、ああ」


「ねぇ、瑞。私、早く温かいお風呂に入りたいよ」


「……そうだな。早く行こう」


私達は、温泉施設に着くまで何も会話を交わさなかった。
瑞は、何かを察してるのかも知れない。
だけど……
もう、あの人のことには何も触れたくなかった。


「じゃあ、また後で。ゆっくりお湯に浸かって温まってきて。慌てなくていいから」


「うん……ありがとう。瑞も、ゆっくりしてね」


***


温泉施設の暖簾をくぐれば、私は……1人。


水着を全て脱ぎ捨て、ようやく恥ずかしさから解放された。
裸より恥ずかしいものがこの世にあるなんてね……


水着姿をけなされたのは、調子に乗った自分が悪いんだ。似合いもしないのに、黒のビキニなんて……
あの人達に言われた言葉……
思い出すと今でも泣けてくる。


私は、もう彼女みたいに若くない。
まだ24歳だなんて思っても、10代の可愛らしいさ、みずみずしさ、初々しさ、何だかよくわからないけど、あの女の子から溢れ出していたものが、私には……どれも無い。


男性は、やっぱりああいう子が好きなんだよね。


あの人は、私と別れる前から彼女と関係を持っていたんだろう。お金だって、彼女と遊ぶために必要だったんだよね。今日会ってようやく騙されていたことが全て納得できた。


私は……本当に……バカだ。
どうしてあんな人を……
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