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花を飾る楽しみ
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「それは大袈裟ですよ。でも、愛莉さんは坂井先生みたいな感じの男性が好きなのかなって……」
「えっ、いや……好きとかそういうんじゃなくて、素敵な人だとは思うけど……」
急に言われてどう答えればいいか迷った。
「やっぱり、女性は、男らしい男性に惹かれるだろうし、坂井先生……うらやましいです」
「だけど、みんながみんな、坂井先生みたいなタイプが好きなわけじゃないし、賢人君みたいなタイプが好きな女性もたくさんいると思うよ。実際、賢人君のファンはいっぱいいるしね」
「ファンなんていませんよ。僕は……愛莉さんに認めてもらいたいです。いろんな意味で……」
「えっ?」
「あっ、いやいや、何でもないです。すみません、つまらないこと言いました。さあ、仕事しましょう」
賢人君は、慌てて手を動かし始めた。
「あ、うん。そうだね」
2人とも黙って、ちょっと調子が狂う。
この気まずい空気、いったい何なんだろう?
私って、こういう時に何を言えばいいのかわからなくて困る。
とにかくこんなことで動揺してる場合じゃない、仕事しなきゃ。
私達は、しばらく花を飾ることに集中して、最後に内科の方に向かった。さっきまでいた患者さんもいなくなり、フロアは静かだった。
そこでも2人で作業をして、だいたい終わりかけた頃、少し離れたところから声が聞こえた。
この少し低めの甘い声……
間違いない、瑞だ。
声だけなのに、なぜだかドキッとする。
振り返ると、内科の診察室の前辺りに瑞が立っていた。
ここからでもそのイケメンオーラがはっきりと確認できる。白衣姿が嘘みたいに眩しくて、鼓動がさらに激しくなった。
会うのは今日で3回目なのに、いったいいつになったらあの「顔」に慣れるの?
「えっ、いや……好きとかそういうんじゃなくて、素敵な人だとは思うけど……」
急に言われてどう答えればいいか迷った。
「やっぱり、女性は、男らしい男性に惹かれるだろうし、坂井先生……うらやましいです」
「だけど、みんながみんな、坂井先生みたいなタイプが好きなわけじゃないし、賢人君みたいなタイプが好きな女性もたくさんいると思うよ。実際、賢人君のファンはいっぱいいるしね」
「ファンなんていませんよ。僕は……愛莉さんに認めてもらいたいです。いろんな意味で……」
「えっ?」
「あっ、いやいや、何でもないです。すみません、つまらないこと言いました。さあ、仕事しましょう」
賢人君は、慌てて手を動かし始めた。
「あ、うん。そうだね」
2人とも黙って、ちょっと調子が狂う。
この気まずい空気、いったい何なんだろう?
私って、こういう時に何を言えばいいのかわからなくて困る。
とにかくこんなことで動揺してる場合じゃない、仕事しなきゃ。
私達は、しばらく花を飾ることに集中して、最後に内科の方に向かった。さっきまでいた患者さんもいなくなり、フロアは静かだった。
そこでも2人で作業をして、だいたい終わりかけた頃、少し離れたところから声が聞こえた。
この少し低めの甘い声……
間違いない、瑞だ。
声だけなのに、なぜだかドキッとする。
振り返ると、内科の診察室の前辺りに瑞が立っていた。
ここからでもそのイケメンオーラがはっきりと確認できる。白衣姿が嘘みたいに眩しくて、鼓動がさらに激しくなった。
会うのは今日で3回目なのに、いったいいつになったらあの「顔」に慣れるの?
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