再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~

けいこ

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花を飾る楽しみ

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瑞の診察と薬のおかげで風邪はすぐに治った。
長引かなくてホッとした。


あれから、一度だけ彼氏からメールがあったけど、体調のことには全く触れてなかった。
『いつ会える?』
たった1文だけの寂しいメールに、私は愕然とした。


会ってどうするの?
お金を貸してほしいだけなら、もう二度と誘わないでよ。


……このままじゃ苦しいよ。


あんな人だったと見抜けなかった自分が甘かったと、今さら後悔しても仕方ない。彼とのことは、ちゃんと考えないといけないと……本気で思った。


私は、支度を済ませて仕事に向かった。
爽やかで気持ちの良い朝。
重苦しい気分は、ひとまず胸の奥の方にしまい込んだ。


***


「ラ・フルール」に着いて、店の裏に自転車を止めた。


「おはようございます」


「賢人君、おはよう。今日もよろしくね」


「はい、よろしくお願いします。今日は、お昼から小川総合病院ですよね」


「そうだね。あとで決めてた花を車に積み込んでくれる?」


「了解しました!   愛莉さん」


そう言って、ニコッと笑う賢人君。
見た感じ175cmくらいかな。
可愛いし、かっこいいし、オシャレだし、爽やかだし――朝から元気だし。
賢人君に対しては、いつも褒め言葉しか思い浮かばない。


「おはようございます」


店に入ると、店長がいた。
一回り年上の、とにかく仕事ができる女性。しっかりしてて頼りになるから、仕事の相談はよくしている。でも、恋愛の相談までは、恥ずかしくてなかなかできない。


誰かに聞いてもらえたら、少しはスッキリするんだろうけど……


それから、お客様の対応や、花の手入れ、雑用、掃除などをこなしながら、午前中の仕事は何とか一段落した。


「愛莉さん、積み込み終わりました」


賢人君が、病院に飾る花を車に全て積んでくれた。
見た目、細い印象の割に、賢人君は力がある。重いものもしっかり持ち上げてくれる姿は、たくましくて男らしい。こういうところにもギャップを感じて、女性はキュンとするんだろう。
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