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新しい1歩を踏み出す時
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「そうだわ。お店を開くためにはたくさんお料理を覚えなくちゃいけないでしょ? だったら、いっそのことレストランを辞めてうちを手伝ってくれない? そうしてもらえたら助かるわ。 お給料もちゃんと払うから」
ママさんからの提案に驚いた。
「そんな、レストランを辞めたらママさんにお金を返せる金額が減ってしまうかも知れないし。居候の身で仕事までさせてもらうなんて……」
「うちへの返済? そんなのあったかしら? もしあるなら、それは将来、結仁君が成人してからで構わないわ」
「ママさん……」
こんなにも慈愛に溢れた人間の深さに、私は改めて惚れ直した。
「でも、そのうち……きっと理仁君が双葉ちゃんを迎えに来てくれるわね」
「えっ……」
「私もそう思うよ。あの人は必ず双葉達を守ってくれる。双葉と結仁を誰よりも大切に思ってくれてるんだから」
「朱里……。だけど私、やっぱり理仁さんとは家族になれないよ」
「どうして? どうしてなれないって決めてるの? 双葉はさ、理仁さんとの身分の差とか、そんなことをずっと気にしてるんでしょ?」
朱里にキツめに言われてドキッとした。
「だ、だって、常磐グループだよ。私にだって常磐グループがどれほど大きな会社なのかくらい、ちゃんとわかるよ。世界だよ、理仁さんは世界を動かす人なんだよ。そんなすごい人と私が家族になって、常磐グループの中に入るなんて、そんなの……どう考えてもおかしいよ」
ずっとそこで止まってる。
その先にはどうやったって進めない。
これは、理仁さんの幸せのためなんだから――
「双葉ちゃん。常磐グループなんて関係ないでしょ。双葉ちゃんが好きなのは、理仁君自身なんだから」
「……でも……」
ママさんからの提案に驚いた。
「そんな、レストランを辞めたらママさんにお金を返せる金額が減ってしまうかも知れないし。居候の身で仕事までさせてもらうなんて……」
「うちへの返済? そんなのあったかしら? もしあるなら、それは将来、結仁君が成人してからで構わないわ」
「ママさん……」
こんなにも慈愛に溢れた人間の深さに、私は改めて惚れ直した。
「でも、そのうち……きっと理仁君が双葉ちゃんを迎えに来てくれるわね」
「えっ……」
「私もそう思うよ。あの人は必ず双葉達を守ってくれる。双葉と結仁を誰よりも大切に思ってくれてるんだから」
「朱里……。だけど私、やっぱり理仁さんとは家族になれないよ」
「どうして? どうしてなれないって決めてるの? 双葉はさ、理仁さんとの身分の差とか、そんなことをずっと気にしてるんでしょ?」
朱里にキツめに言われてドキッとした。
「だ、だって、常磐グループだよ。私にだって常磐グループがどれほど大きな会社なのかくらい、ちゃんとわかるよ。世界だよ、理仁さんは世界を動かす人なんだよ。そんなすごい人と私が家族になって、常磐グループの中に入るなんて、そんなの……どう考えてもおかしいよ」
ずっとそこで止まってる。
その先にはどうやったって進めない。
これは、理仁さんの幸せのためなんだから――
「双葉ちゃん。常磐グループなんて関係ないでしょ。双葉ちゃんが好きなのは、理仁君自身なんだから」
「……でも……」
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