世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~

けいこ

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それは許せない~もみじside~

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だけど、やっぱり信じたくない。
双葉が常磐グループに入るなんて、双葉だけが幸せになるなんて……


そんなの、そんなの絶対ズルい!!


「どれだけ私が面倒みたと思ってるの?   双葉は私達がいなきゃ野垂れ死にしてた。あの子は私達には一生頭が上がらないのよ」


『……今の君は双葉を大切に思っていない。いや、むしろ、嫌いなのか?』


核心をついた質問に思わず動揺した。


「そ、そうよ!   あの子は……あの子は……いっつも自分が1番じゃないと気が済まない最低な女なの。子どもの頃からずっとそう。全部私より上で、頭も良くて、人気もあって……。ほんと、ただの居候のくせに生意気なのよ」


『双葉はそんな人じゃない。君だって一緒にいればわかるだろ?   なのになぜ?』


「あなたにわかるはずがない!   いつもあの子の笑顔にムカついてた。それが私の感情。それの何がおかしいの?」


そうよ、私の感覚は正常なのよ。
何も間違ってない。


「君は……。もう、何を言っても無駄なようだ。双葉にとって大事な人だとしても、これ以上傷つけるようなら、俺は絶対君を許さない」



「理仁さん、待って!   私はあなたが好きなの。双葉より私の方が絶対いいんだから。だからお願い、目を覚まして!   私、今までこんなに好きになった人はいないの。ねえ、理仁さん」


お願い、双葉じゃなく私を見て――


『君は、双葉と離れて、自分自身のことをちゃんと考えるべきだ。俺や双葉のことは忘れて、将来の自分の幸せを考えてほしい』


自分の幸せ?
それは理仁さんと結婚することなのよ。
私は……本当にあなたが好き。
キツく正される言葉も、優し過ぎる言葉も、あなたの全てが好きなのに。


「いやよ、そんなの嫌。双葉だけが幸せになるなんて許せない」


双葉への憎悪が湧き上がる。
でも、この気持ちをどこにぶつければいいのかわからない。


私は、思わずスマホを床に投げつけた。
カーペットに転がったスマホの画面は、数秒後に真っ暗になり、虚しい孤独を生み出した。
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