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あなたを忘れるために
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それからしばらくもみじちゃんは部屋に居座った。
友達ではない、家族でもない、同じ家に暮らしている、いとこ同士という私達の関係は複雑だ。
夜になってベッドに横になり、天井を見つめながら思った。
あのことがあって、もう恋愛はしないと決めた。
だけど、理仁さんへの想いを引きずったまま生きるより、新しい恋をして、私なりに前を向いて進んだ方がいいのかな?
確かに、借金返済からは逃れられないけど、仕事だけの人生もつまらない。
もし身分にあった恋愛ができたら……
私も、少しは幸せになっていいのかな。
それは双葉の強がりだ――
理仁さんを忘れられるわけがない!
突然、心の声が聞こえた。
慌てて振り払う。
そうだ。
理仁さんはもういないけど、またプールに通ってリフレッシュしよう。
健康のため、あと、見た目も少しは綺麗になれるように。
松雪 双葉、26歳。
これからは、新しい人生を切り開いて前を向く。
過去は消せないけど、縛られたくない。
いつまでもグジグジしてちゃいけないんだ。
こんな風に気持ちを切り替えることができたのは、きっともみじちゃんのおかげ……だね。
久しぶりにTOKIWAスイミングスクールにやってきた。
以前のところではなく、ここは自分に合った最低限、低価格のレッスンが受けられるスクールだ。
もちろん、あの時もらったウエルカムカードは使わない。ちゃんと自分のお金で入会し、水着も買って持参した。
数名のグループレッスン。
私の担当の先生は、直江 涼平(なおえ りょうへい)さんという人。
自己紹介の情報によると、24歳、私より年下の、身長178cmのイケメン先生だ。
短すぎないアップバングショート。ツーブロックでさっぱりしてて、爽やかな中に男性らしさを感じる。
りりしい眉毛、切れ長の瞳が、さらに男らしいイメージを与えてる。
「じゃあ、着替えてプールサイドで集合しましょう。あっ、双葉さん、5名中あなたが1番お若いですから、元気に明るくいきましょう」
「ふ、双葉さん?」
「僕は生徒さんを名前で呼ぶので」
「あっ、そ、そうなんですね」
友達ではない、家族でもない、同じ家に暮らしている、いとこ同士という私達の関係は複雑だ。
夜になってベッドに横になり、天井を見つめながら思った。
あのことがあって、もう恋愛はしないと決めた。
だけど、理仁さんへの想いを引きずったまま生きるより、新しい恋をして、私なりに前を向いて進んだ方がいいのかな?
確かに、借金返済からは逃れられないけど、仕事だけの人生もつまらない。
もし身分にあった恋愛ができたら……
私も、少しは幸せになっていいのかな。
それは双葉の強がりだ――
理仁さんを忘れられるわけがない!
突然、心の声が聞こえた。
慌てて振り払う。
そうだ。
理仁さんはもういないけど、またプールに通ってリフレッシュしよう。
健康のため、あと、見た目も少しは綺麗になれるように。
松雪 双葉、26歳。
これからは、新しい人生を切り開いて前を向く。
過去は消せないけど、縛られたくない。
いつまでもグジグジしてちゃいけないんだ。
こんな風に気持ちを切り替えることができたのは、きっともみじちゃんのおかげ……だね。
久しぶりにTOKIWAスイミングスクールにやってきた。
以前のところではなく、ここは自分に合った最低限、低価格のレッスンが受けられるスクールだ。
もちろん、あの時もらったウエルカムカードは使わない。ちゃんと自分のお金で入会し、水着も買って持参した。
数名のグループレッスン。
私の担当の先生は、直江 涼平(なおえ りょうへい)さんという人。
自己紹介の情報によると、24歳、私より年下の、身長178cmのイケメン先生だ。
短すぎないアップバングショート。ツーブロックでさっぱりしてて、爽やかな中に男性らしさを感じる。
りりしい眉毛、切れ長の瞳が、さらに男らしいイメージを与えてる。
「じゃあ、着替えてプールサイドで集合しましょう。あっ、双葉さん、5名中あなたが1番お若いですから、元気に明るくいきましょう」
「ふ、双葉さん?」
「僕は生徒さんを名前で呼ぶので」
「あっ、そ、そうなんですね」
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