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御曹司との出会いは突然に
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3年前――
「双葉ちゃん、お待たせ。お腹空いたでしょ? はい、どうぞ」
「ありがとう、ママさん。うわぁ、美味しそう。寒くなってきたから『おでん』は嬉しいな」
「双葉の大好物の大根とたまご。お出汁がよくしみてて美味しいよ」
優しい匂いに包まれた小料理屋のカウンター。
1番奥の席は私の指定席。
ここに座ると何だかいつもホッとする。
それはきっと、大好きなママさんと朱里がいるから。
この店「灯り(あかり)」の女将、ママさんの名前は守田 香里(もりた かおり)。
その娘が、私の親友の守田 朱里(もりた あかり)。
地元のお客さんに愛されている、小さいけど家庭的で温かいお店だ。
「本当にこの大根、中まで味がしみててすごく美味しい。何だか幸せを感じる」
「大袈裟ね、双葉ちゃん」
「いつも双葉は大袈裟なんだよ。でも、美味しそうに食べてる双葉の顔を見ると嬉しくなるよ」
優しい笑みを浮かべるママさんは、旦那さんと離婚して女手1つで朱里を育ててきた。
前の経営者から譲り受けたこの店をここまで繁盛させたのは、ママさんのしっかり者で頼れる性格、そして55歳には見えない見た目の美しさのおかげだろう。
初めて来た男性のお客さんは、みんなママさんのファンになる。確かにママさんの和服姿には、女の私でも惚れ惚れする。
そんなママさんの背中を見て育った朱里とは、中学校からの大親友。
その愛嬌ある笑顔がものすごく可愛くて、性格も明るくて元気で、存在するだけで周りを幸せにしてくれる。
耳に掛けているショートカットもよく似合っていて、26歳になった今もよくモテている。
ママさん同様、朱里もお客さんにとても可愛がられてて人気者だ。
この2人に会えること、そして、美味しい料理が食べられることが、今の私の最高の「ご褒美時間」になっている。
「双葉ちゃん、お待たせ。お腹空いたでしょ? はい、どうぞ」
「ありがとう、ママさん。うわぁ、美味しそう。寒くなってきたから『おでん』は嬉しいな」
「双葉の大好物の大根とたまご。お出汁がよくしみてて美味しいよ」
優しい匂いに包まれた小料理屋のカウンター。
1番奥の席は私の指定席。
ここに座ると何だかいつもホッとする。
それはきっと、大好きなママさんと朱里がいるから。
この店「灯り(あかり)」の女将、ママさんの名前は守田 香里(もりた かおり)。
その娘が、私の親友の守田 朱里(もりた あかり)。
地元のお客さんに愛されている、小さいけど家庭的で温かいお店だ。
「本当にこの大根、中まで味がしみててすごく美味しい。何だか幸せを感じる」
「大袈裟ね、双葉ちゃん」
「いつも双葉は大袈裟なんだよ。でも、美味しそうに食べてる双葉の顔を見ると嬉しくなるよ」
優しい笑みを浮かべるママさんは、旦那さんと離婚して女手1つで朱里を育ててきた。
前の経営者から譲り受けたこの店をここまで繁盛させたのは、ママさんのしっかり者で頼れる性格、そして55歳には見えない見た目の美しさのおかげだろう。
初めて来た男性のお客さんは、みんなママさんのファンになる。確かにママさんの和服姿には、女の私でも惚れ惚れする。
そんなママさんの背中を見て育った朱里とは、中学校からの大親友。
その愛嬌ある笑顔がものすごく可愛くて、性格も明るくて元気で、存在するだけで周りを幸せにしてくれる。
耳に掛けているショートカットもよく似合っていて、26歳になった今もよくモテている。
ママさん同様、朱里もお客さんにとても可愛がられてて人気者だ。
この2人に会えること、そして、美味しい料理が食べられることが、今の私の最高の「ご褒美時間」になっている。
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