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円城寺家の人々とイケメン探偵
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『ねえ、凛音』
『何?』
『凛音が1番楽しい時って…何をしてる時?』
「探偵事務所」である凛音の部屋で、私は聞いた。
『そうだな…』
静かな2人だけの空間。
ちょっとしたドキドキが私の胸に宿る。
『ミステリーを読んでる時、事件と向き合ってる時…みんなといる時、あとは…』
『って、そんなにたくさん言ったら1番じゃないでしょ』
私は、ちょっとほっぺたを膨らませた。
『1番なんて…決められないよ。じゃあ、紬の1番は?』
そんなの…
「凛音といる時…」
なんて、言えないよ。
『ひ、み、つ』
『それじゃあ、僕と一緒だよ。答えになってない』
凛音の優しい笑顔。
本当に…素敵過ぎて…
『いろいろあったけど、凛音のおかげで赤田さん達が元気になって…本当に良かったよ』
『僕のおかげじゃない。みんながいろいろヒントをくれて…それと、紬の「感覚」のおかげだ。ありがとう』
そう言って…
凛音は、私の頭をポンポンした。
えっ…
湊音さんならわかるけど、凛音にポンポンされたのは…
今までで初めてだ。
自然と顔が真っ赤になる。
は、恥ずかしい。
初音ちゃんの気持ちが…ちょっとわかった。
何だか胸の奥がキュンとして…
嬉しいものなんだな。
『また…一緒に謎を解こう。どんな小さな事件でも、人を幸せに出来るなら…助手として力を貸して欲しい』
『もちろん。任せて…って、頼りない助手だけど…』
『そんなことないよ。頼もしい助手さんだ』
決して告白されたわけでも、プロポーズされたわけでもないけど…
私は全然、満足だった。
だから、ずっと…
あなたの「助手」として側にいさせてね。
凛音は、眼鏡を外してガラスを拭いた。
澄み切っていてとっても綺麗な瞳。
その瞳は「歪んだ嘘を見破り、真実だけを見つめる」。
次は、いったいどんな事件が待ってるのかな。
これからも凛音は、前へ前へと…
ただ真っ直ぐに進んでいくんだ。
『何?』
『凛音が1番楽しい時って…何をしてる時?』
「探偵事務所」である凛音の部屋で、私は聞いた。
『そうだな…』
静かな2人だけの空間。
ちょっとしたドキドキが私の胸に宿る。
『ミステリーを読んでる時、事件と向き合ってる時…みんなといる時、あとは…』
『って、そんなにたくさん言ったら1番じゃないでしょ』
私は、ちょっとほっぺたを膨らませた。
『1番なんて…決められないよ。じゃあ、紬の1番は?』
そんなの…
「凛音といる時…」
なんて、言えないよ。
『ひ、み、つ』
『それじゃあ、僕と一緒だよ。答えになってない』
凛音の優しい笑顔。
本当に…素敵過ぎて…
『いろいろあったけど、凛音のおかげで赤田さん達が元気になって…本当に良かったよ』
『僕のおかげじゃない。みんながいろいろヒントをくれて…それと、紬の「感覚」のおかげだ。ありがとう』
そう言って…
凛音は、私の頭をポンポンした。
えっ…
湊音さんならわかるけど、凛音にポンポンされたのは…
今までで初めてだ。
自然と顔が真っ赤になる。
は、恥ずかしい。
初音ちゃんの気持ちが…ちょっとわかった。
何だか胸の奥がキュンとして…
嬉しいものなんだな。
『また…一緒に謎を解こう。どんな小さな事件でも、人を幸せに出来るなら…助手として力を貸して欲しい』
『もちろん。任せて…って、頼りない助手だけど…』
『そんなことないよ。頼もしい助手さんだ』
決して告白されたわけでも、プロポーズされたわけでもないけど…
私は全然、満足だった。
だから、ずっと…
あなたの「助手」として側にいさせてね。
凛音は、眼鏡を外してガラスを拭いた。
澄み切っていてとっても綺麗な瞳。
その瞳は「歪んだ嘘を見破り、真実だけを見つめる」。
次は、いったいどんな事件が待ってるのかな。
これからも凛音は、前へ前へと…
ただ真っ直ぐに進んでいくんだ。
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