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円城寺家での犯人探し

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『赤田様。何か不自由があれば何でも仰って下さい。ご自分のお家だと思って、ゆっくりして下さいね』


良子さんが、優しく声をかけた。


『ありがとうございます。不自由なんてとんでもないです。何もかもが素敵で…お城に迷い込んだみたいです。本当に…こんなにして頂いて嬉しいです』


『菜摘ちゃん。良子さんをお母さんだと思って甘えればいいから。ね、良子さん』


ウインクする湊音さん。


『はい、その通りです。何でも仰って下さい』


湊音さんの言葉に答え、良子さんがニッコリ笑う。


その悩殺的なウインクに、良子さんちょっと照れてるみたいだ。


いくつになっても…やっぱり女性だな。


良子さん、可愛い。


赤田さんも、そんな円城寺の雰囲気にだんだん気持ちが落ち着いてきたのか…楽しそうに笑ってる。


深く傷ついた心、今日は円城寺家のみんなが優しく癒してくれるから…


しっかり甘えて欲しいなって思った。


美味しくて満足な食事が終わり、お茶を飲みながら、みんなで話が始まった。


誰1人部屋に戻らず、自主的に残ってる。


『湊音さん、そのネックレス素敵ですね』


私が言った。


胸にかかってるシンプルだけどカッコいいネックレスに自然に目がいった。


シャツのボタンを少しあけてるところが、何ともセクシーだ。


『ああ、ありがとう、紬ちゃん。これはアリスからの贈り物なんだ』


『そうなんですか。そう言えば今、アリスさんが来日されてるんですよね』


『そうだよ。昨日の夜に食事をしてね。その時にもらったんだ。すごく人気があるジュエリーショップの物でね。ペアで…お互い少し形は違うんだけど』


ふと見たら…初音ちゃん、顔が怖い。


アリスさんは湊音さんの彼女だから、やっぱり…ヤキモチかな。


『湊音お兄様。それはあまりお似合いになりません。なんだか少し派手です』


『そう?初音は厳しいな』


苦笑いの湊音さん。


『それより凛音兄さん、脅迫状のことが解決して、あとは先生を階段から突き落とした犯人を見つけるだけなんだよね?』


柊音君が言った。
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