30 / 56
脅迫状の犯人の告白
2
しおりを挟む
赤田さんは、必死に言った。
きっと佐々木先生のこと、演劇部の顧問として慕ってたんだな…
『その部員っていうのは…中島 真由さんだよ』
『え!真由が?』
赤田さん、かなり驚いてる。
『ああ。中島さんは最近先生と部室に残ることが多かった…とも聞いたんだけど…』
『…それは…佐々木先生が、今回の劇の脚本に「ナレーション」を入れた方がいいと思うからって急に提案してくれて。声がよく通る真由にナレーションを頼んでました。追加する内容を練習が終わってから一緒に考えようって…「数回」残ってたのは知ってます』
『佐々木先生が中島さんを叱る程、ナレーションに力を入れてたということ?』
私が言うと、
『でも…そんなことで先生が真由を叱るとは思えないです。真由は私と違ってちゃんとしてるし、優等生なんです。それに、真由と私は部長と副部長ですから、何か叱られたりしたら話してくれたと思うんですが…』
と、答えてくれた。
『3人に佐々木先生のことを取材と言って聞いた時、僕は中島さんからとても「不快な何か」を感じた。無理に笑おうとしてる顔が不自然で。なぜそんな風な態度になったのか…』
そっか…
凛音は、あの時それを感じとっていたんだ…
私は全然わからなかったのに…
『ねえ、じゃあまさか…佐々木先生と中島さん、放課後の2人に何かあったっていうの?』
私は、急に嫌な予感がした。
『何かって何なんですか?佐々木先生も真由も…2人とも本当に一生懸命劇のために頑張ってたのに…』
赤田さんの思い、わかるよ…
『…いつもあまり脚本に参加しない佐々木先生が、今回はなぜか積極的だった。そして、途中ナレーションを入れたいと言い、中島さんを自ら指名した。みんなは、クラブ活動が終わると普段から急いで帰るし、もしかして…中島さんと2人きりになるチャンスを…狙っていたのかも知れない』
きっと佐々木先生のこと、演劇部の顧問として慕ってたんだな…
『その部員っていうのは…中島 真由さんだよ』
『え!真由が?』
赤田さん、かなり驚いてる。
『ああ。中島さんは最近先生と部室に残ることが多かった…とも聞いたんだけど…』
『…それは…佐々木先生が、今回の劇の脚本に「ナレーション」を入れた方がいいと思うからって急に提案してくれて。声がよく通る真由にナレーションを頼んでました。追加する内容を練習が終わってから一緒に考えようって…「数回」残ってたのは知ってます』
『佐々木先生が中島さんを叱る程、ナレーションに力を入れてたということ?』
私が言うと、
『でも…そんなことで先生が真由を叱るとは思えないです。真由は私と違ってちゃんとしてるし、優等生なんです。それに、真由と私は部長と副部長ですから、何か叱られたりしたら話してくれたと思うんですが…』
と、答えてくれた。
『3人に佐々木先生のことを取材と言って聞いた時、僕は中島さんからとても「不快な何か」を感じた。無理に笑おうとしてる顔が不自然で。なぜそんな風な態度になったのか…』
そっか…
凛音は、あの時それを感じとっていたんだ…
私は全然わからなかったのに…
『ねえ、じゃあまさか…佐々木先生と中島さん、放課後の2人に何かあったっていうの?』
私は、急に嫌な予感がした。
『何かって何なんですか?佐々木先生も真由も…2人とも本当に一生懸命劇のために頑張ってたのに…』
赤田さんの思い、わかるよ…
『…いつもあまり脚本に参加しない佐々木先生が、今回はなぜか積極的だった。そして、途中ナレーションを入れたいと言い、中島さんを自ら指名した。みんなは、クラブ活動が終わると普段から急いで帰るし、もしかして…中島さんと2人きりになるチャンスを…狙っていたのかも知れない』
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
乙男女じぇねれーしょん
ムラハチ
青春
見知らぬ街でセーラー服を着るはめになったほぼニートのおじさんが、『乙男女《おつとめ》じぇねれーしょん』というアイドルグループに加入し、神戸を舞台に事件に巻き込まれながらトップアイドルを目指す青春群像劇! 怪しいおじさん達の周りで巻き起こる少女誘拐事件、そして消えた3億円の行方は……。
小説家になろうは現在休止中。
赤い部屋
山根利広
ホラー
YouTubeの動画広告の中に、「決してスキップしてはいけない」広告があるという。
真っ赤な背景に「あなたは好きですか?」と書かれたその広告をスキップすると、死ぬと言われている。
東京都内のある高校でも、「赤い部屋」の噂がひとり歩きしていた。
そんな中、2年生の天根凛花は「赤い部屋」の内容が自分のみた夢の内容そっくりであることに気づく。
が、クラスメイトの黒河内莉子は、噂話を一蹴し、誰かの作り話だと言う。
だが、「呪い」は実在した。
「赤い部屋」の手によって残酷な死に方をする犠牲者が、続々現れる。
凛花と莉子は、死の連鎖に歯止めをかけるため、「解決策」を見出そうとする。
そんな中、凛花のスマートフォンにも「あなたは好きですか?」という広告が表示されてしまう。
「赤い部屋」から逃れる方法はあるのか?
誰がこの「呪い」を生み出したのか?
そして彼らはなぜ、呪われたのか?
徐々に明かされる「赤い部屋」の真相。
その先にふたりが見たものは——。
virtual lover
空川億里
ミステリー
人気アイドルグループの不人気メンバーのユメカのファンが集まるオフ会に今年30歳になる名願愛斗(みょうがん まなと)が参加する。
が、その会を通じて知り合った人物が殺され、警察はユメカを逮捕する。
主人公達はユメカの無実を信じ、真犯人を捕まえようとするのだが……。
紙の本のカバーをめくりたい話
みぅら
ミステリー
紙の本のカバーをめくろうとしたら、見ず知らずの人に「その本、カバーをめくらない方がいいですよ」と制止されて、モヤモヤしながら本を読む話。
男性向けでも女性向けでもありません。
カテゴリにその他がなかったのでミステリーにしていますが、全然ミステリーではありません。
ARIA(アリア)
残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……

ダブルネーム
しまおか
ミステリー
有名人となった藤子の弟が謎の死を遂げ、真相を探る内に事態が急変する!
四十五歳でうつ病により会社を退職した藤子は、五十歳で純文学の新人賞を獲得し白井真琴の筆名で芥山賞まで受賞し、人生が一気に変わる。容姿や珍しい経歴もあり、世間から注目を浴びテレビ出演した際、渡部亮と名乗る男の死についてコメント。それが後に別名義を使っていた弟の雄太と知らされ、騒動に巻き込まれる。さらに本人名義の土地建物を含めた多額の遺産は全て藤子にとの遺書も発見され、いくつもの謎を残して死んだ彼の過去を探り始めた。相続を巡り兄夫婦との確執が産まれる中、かつて雄太の同僚だったと名乗る同性愛者の女性が現れ、警察は事故と処理したが殺されたのではと言い出す。さらに刑事を紹介され裏で捜査すると告げられる。そうして真相を解明しようと動き出した藤子を待っていたのは、予想をはるかに超える事態だった。登場人物のそれぞれにおける人生や、藤子自身の過去を振り返りながら謎を解き明かす、どんでん返しありのミステリー&サスペンス&ヒューマンドラマ。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる