円城寺家のイケメン探偵～脅迫状に込められた思い～

脅迫状に隠された思い

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練習の休憩中、赤田さんが話しかけてくれた。


『山田さん、田中さん。紹介します。こちら、副部長の小川 智樹(おがわ ともき)君と同じく副部長の中島 真由(なかしま まゆ)さんです』


『小川です。よろしくお願いします』


小川君…可愛い系のイケメンだ。


声も小さめで大人しめな雰囲気だけど…


さっきの練習では、正直1番目立ってた。


演技力があると言ったほうがいいかな。


身長もあるから舞台の上でも存在感があるし、だから主役に選ばれてるのかな…


『中島です。よろしくお願いします』


中島さん…可愛らしい女の子だな。


副部長だからしっかりしてるんだろうけど、小川君同様、大人しめですごく優しそう。


『2人ともとても演技が上手なんです。私が部長なんて恥ずかしくなるくらいです』


赤田さんが、謙虚に言った。


『赤田さんも上手ですよ！皆さん本当に素晴らしくてすごく惹き込まれました』


『ありがとうございます。まだまだ練習不足なので頑張ります。後ほど私達が取材にお答えしますので。では失礼します』


3人は、頭を下げてくれた。


すぐに練習が始まり、私達はそれを静かに見守った。


周りを注意深く観察し、何か小さなヒントが無いか…真剣に見つめる凛音の横顔。


鼻から口の辺りのラインが美しくて、思わず仕事を忘れて見入ってしまいそうになる。


私は、こうしていつも凛音に「ハッ」とさせられるんだ。


いや、私が勝手にドキドキしてるだけか…


新聞記者として写真も撮り、一通り見学して、演劇部の練習は終わった。


部員達は、どんどん部室から出て行った。


今からまだ塾だったり、みんな様々な理由で家路を急いでいた。


広い部室に残ったのは、凛音と私、赤田さん、小川君、中島さん…の3人。


佐々木先生は、用事で先に職員室に戻った。


『お疲れ様でした。本当に皆さん一生懸命で驚きました』