円城寺家のイケメン探偵~脅迫状に込められた思い~

けいこ

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図書館での思い出

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凛音の家に寄って勉強したり、話したりしてから自分の家に帰る…


探偵小説の全体の構成、探偵の性格や謎の解き方、トリックの深さ、犯人の動機の設定に至るまで…いろんな話をした。


凛音のおかげであまり詳しくなかった推理の世界にどっぷりハマり、いつも2人でいるとあっという間に時間が過ぎていった。


普段は冷静で大人しめな凛音も、その時は楽しそうに話し込む。


「眼鏡っ子」の凛音の優しい笑顔…


きっと学校でも見せたことのない顔を、私だけが見てるんだろうなって…


そんな時間が、私は大好きだったんだ。


中学も高校も…


頭の良さと格式の違いに、もちろん同じところには行けなかったけど…


それでも、私達は当たり前のように一緒にいた。


だからお互い…彼氏、彼女はいなくて…


私が保育士になってからは別々の時間も少し増えたけど、それでも、凛音は女性にあまり興味がないのか…今も彼女はいないみたいだった。


もちろん…


学校で誰かと付き合ってる…とか、そこまで干渉することはしないからわからないけど…


でもとにかく、今の関係がとても心地よくて。


そのせいで気づけば私も…


ずっと彼氏がいないまま今に至ってしまってるんだ。


そろそろ本気でお相手を見つけないと、両親にも心配かけるってわかってはいるんだけど…


やっぱり、凛音のカッコ良さを超える人なんて、今まで1人もいなかったから…


美しい顔、スタイル、サラサラの髪型、冷静な判断力、穏やかで優しい心、たまに見せる笑顔。


「眼鏡男子の完成系ここにあり!」


そんな凛音に、私は心を鷲掴みにされたまま大人になってしまったんだ。


院瀬見 亜矢奈さんというライバルの登場で最初は戸惑ったけど…


でも今は、探偵業と大学の勉強に追われて、それどころじゃないと思うから…


だから、まだもう少し…


ちゃんと役に立ててるかはわからないけど、助手として凛音のことを側で支えていたいなって…心から思ってる。
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