円城寺家のイケメン探偵～脅迫状に込められた思い～

円城寺家の人々

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凛音が大学に入学したと同時に「探偵」として仕事もしたいと言った時はみんな驚いたけど…


それでも誰も…反対する人はいなかった。


円城寺4兄弟の両親は、寛大な心を持った人で、子ども達がやりたいことを否定することはしない。


たまたま柊音君がお父さんの跡を継ぐって言ったけど、もしみんな違う仕事をしたとしても、それでも子どもの個性や気持ちを大事にしただろう。


同族経営だから会社が潰れてしまうことは無いにしても、やっぱり…


息子に継いで欲しいとは思ってるのかも知れないけどね。


私のこともずっと可愛がってくれる、本当に優しいおじ様とおば様。


だけど、おじ様は仕事が忙し過ぎて海外を飛び回っていて、円城寺家にはごくたまにしか戻って来ない。


2年前まではここで子育てをして子ども達と一緒に暮らしてたおば様も、その状況に耐えられなくなって…


とうとう大好きなおじ様に着いて海外に行ってしまった。


円城寺家には優しいばあやさんもいるし、いろいろ一段落して安心したんだと思う。


私が見てても恥ずかしくなるくらいラブラブな2人だから、いつかこうなることはわかってたし、2人が一緒にいられることを家族はみんな喜んでいるんだ。


たまに帰る時には、たくさんの海外のお土産を持って帰ってきてくれる。


そんな両親に変わって子ども達の面倒をみてるのが円城寺家のばあやさん、みんなは良子(りょうこ)さんって呼んでいる。 


65歳らしいけど、見た目はもう少し若くみえる。


ちょっとぽっちゃりとしてエプロン姿が良く似合ってる。


こういうの、かっぽう着っていうのかな…


お料理上手でお裁縫が得意で…みんなにとって、第2の母的存在。


私の中で「The ばあやさん」だ。


『さあさ、お料理を頂きましょう。冷めてしまいますからね』


そう言って、良子さんはシェフと共にみんなに料理を取り分けてくれた。