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私を守ってくれる王子様

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「お前さ。ことの重大さ、わかってる?   こんなの見たら結婚は確実に破談になるぞ」


佐藤君は、私の髪を掴んで壁に押し付けた。
あまりの恐ろしさに涙が止まらない。


柊君、お願い、助けて――
来るわけないのに、そう願った。


髪を引っ張られたまま、私はただずっと怯えるしかなかった。


その時、ドアが勢いよく開いた。


「何してる!   柚葉を離せ!」


「柊君!!」


どうしてここに柊君がいるの?
わけがわからないけど、確かに目の前に柊君がいる。


「お前がこいつのフィアンセか?   ナヨナヨしやがって」


そう言って佐藤君は、私を再び押し倒してから、柊君に掴みかかった。


「柊君逃げて!   その人強いから!」


必死でそう叫んだ瞬間、柊君はその攻撃をかわし、代わりに佐藤君のガッチリした体を掴んで床にねじ伏せた。


え……嘘……?
いったい何が起こったの?
さっきから展開が早すぎて、理解が追いつかない。


「柚葉!   警察呼んで」


「あ、うん!   わかった」


「待て!   いいのか、この写真、この男に見せても!」


佐藤君は、柊君に押さえつけられたまま激高した。


その瞬間、私は、どうしようもない感覚に襲われた。
柊君が、スマホを取り上げて、私と佐藤君の写真を見てしまったから――


もう、終わりだ。
本当に、そう思った。


「こんなつまらない写真で柚葉を脅して、ただじゃ済まない!   もし、今後柚葉に少しでも近づくことがあれば、こっちにも考えがある。まあ、二度と立ち直れないくらいのこと、僕は平気でできるから気をつけた方がいい」


柊君の言葉に一瞬ゾクッとしたけど、いつもとは違うこんな一面もあるんだって、何だかとても男らしく思えた。


「はぁ?   誰がこんなクソ女に二度と関わるか!   お前、おかしいんじゃないのか?   こんなつまんない女のどこがいいんだ」


佐藤君は強気でそう言いながらも、腰はかなり引けていた。


「柚葉がつまらない女だって?   彼女の魅力がわからないなんて可哀想な男だな」
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