憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました～ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる～

ウエディングドレスの花嫁

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生活していく上で、やっぱり経済的な問題はシビアだから。


彼氏側の御家族はお母様が1人で、しかもご病気で長期入院中ということだった。


彼は早く結婚して、お母様を安心させたいらしい。


その気持ちは良くわかる。


みんな、自分の親を大事に思うからこそ結婚を祝福して欲しいし、安心してもらいたいって思う。


いろいろなことが「結婚」というものには関係してくるんだ。


とにかく、梓沙さんと彼氏が真剣に悩み、キチンと考えてることを知って、先生も私もこの挙式を計画した。


ご両親のこともあるけど、1番大切なのはやっぱり本人達の思い。


自分達はどうしたいのかって、梓沙さん達は何度も話し合って、泣いて、また考えて、そして話して…


いっぱい繰り返して、ようやく結論を出してくれた。


ちゃんと結婚式を挙げたいって。


いつか、両親が許してくれるのを信じて。


こちらも精一杯お役に立ちたくて、様々、数日間で進め、予約の合間をぬって特別に今日の日を迎えることになった。


1日も早くという千隼先生の計らいだった。


バージンロードを歩き切り、千隼先生は、聖壇の前で待つ新郎に梓沙さんを託した。


梓沙さんが潤んだ瞳で先生を見る。


先生は「大丈夫」との思いを込めてうなづいた。


イスに座り、梓沙さんを優しい眼差しで見守る先生は、まるで本物の家族のようだった。


賛美歌斉唱、牧師による聖書朗読の後の愛の誓い。


二人が一生懸命にその言葉に誓いを立てている姿に胸うたれる。


本当に…感動的で涙が出そうになる。


そして、お互いに指輪を交換し、新郎が新婦の顔を覆っているベールをゆっくりと上げた。


ベールアップには、2人を遮るものがなくなり1つになれるという意味がある。


その遮りを無くし、新郎が新婦にキスをした。


どんな困難があっても、この2人は必ず一緒に乗り越えられる…そう信じたかった。


牧師による結婚宣言と結婚成立の報告が終わり、今日の挙式は参列者に祝福されながら終了した。