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ウエディングドレスの花嫁

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ホテルの敷地内にある教会。


白を基調とした広めの部屋、ステンドグラスもとても綺麗で、大きめの窓は自動で開け閉めが可能となっている。


今日は最高に良い天気に恵まれ、ガラスの窓からの美しい景色がそのまま1つの「絵」のように見える。


窓から差し込む光が新婦の真っ白なウエディングドレスとベールに優しく降り注ぐ。


例え雨が降っていたとしても、外の緑に雨粒がかかり、それもまた神秘的で綺麗なんだ。


ドアから奥に向かって真っ直ぐに敷き詰められた赤い絨毯、つまりはバージンロード、今日ここを踏み締めるのは…


レースを施したビスチェの下からフワッとしたスカートが印象的で、ロマンチックなプリンセスラインのドレスに身をまとった女性…


千隼先生の家庭教師時代の教え子だった矢野 梓沙(やの あずさ)さん。


26歳のちょっと背丈の小さな可愛らしい人。


私の少し前に担当してたらしく、たまたまホテルの近くを歩いていた時に、梓沙さんが先生を見つけて声をかけ、それが縁で挙式をLUNA BLUですることになった。


有り難いことに私がプランニングさせてもらうことになって、本当に光栄だと感謝してる。


教会のドアがゆっくり開き、新婦の姿が目に飛び込んできた。


1歩ずつ、ゆっくりと歩みを進める梓沙さん。


その横に立ってエスコートしているのは…


お父様じゃなく…


爽やかな笑顔の千隼先生だ。


今日の参列者は2人の同僚、友達が数人で御家族は…どなたも来ていない。


実は、少し前に先生から相談があったんだ。


自分の教え子が、結婚したいのに両親の大反対にあって悩んでいると。


彼氏がまだテレビなどに露出のない芸人さんで、何とかアルバイトで生計を立てているらしく…


女性側の親にしてみたら、アルバイト生活の彼との生活を心配するのは当たり前かも知れないけど…
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