46 / 79
家族の絆と優しさ溢れる結婚式
5
しおりを挟む
きっと、大切な娘さんの成長を心から嬉しく感じているんだろう。
今日の良き日を喜びながら、ほんの少しの寂しさもあって…
そんなご両親の複雑な思いは私にも伝わってくる。
演奏が終わると同時に、大きな拍手が巻き起こった。
鏡子さんはホッとした様子で頭を下げた。
その後、式は様々な余興などで盛り上がり、最後はご両親への手紙の披露を残すだけになった。
まずは鏡子さんから。
お父様、お母様の目の前に立ち、緊張の面持ちで、でも笑顔は忘れずに一言一言丁寧に言葉を紡ぐ。
『子どもの頃、2人に連れて行ってもらった遊園地で、私はバルーンアートを作ってもらい、とても嬉しくて帰りまで大切に抱っこしてました。でも…最後の最後、遊園地を出たところでそのバルーンアートのわんちゃんを割ってしまい…私は悲しくて悲しくていっぱい泣いて、帰りの車の中では泣き疲れて眠ってしまいました』
ご両親は静かに頭を少し下げ、うんうんとうなづきながら聞いている。
『それから数日経って、お父さん、あなたは私のために、夜中、慣れないバルーンアートをお母さんと一緒に必死に練習して、私の前でそれを不器用ながらも心を込めて作ってくれましたね。私は嬉しくて嬉しくて…大喜びしました。今でもね、あの時のことは忘れてないから。大人になってもずっと大切な思い出です。すごく感謝してます』
本当に…素敵なエピソード。
胸がいっぱいになる。
鏡子さんの声が少し震えて、その目には涙が浮かんでるようだった。
『そんな優しい両親に育てられた私は本当に幸せです。お父さん、お母さん、今まで私を育ててくれてありがとうございます。相楽鏡子は今日から優木鏡子として絶対に幸せになるので、2人ともずっとずっと仲良く元気で長生きして、幸せでいて下さい。本当に…ありがとう』
今日の良き日を喜びながら、ほんの少しの寂しさもあって…
そんなご両親の複雑な思いは私にも伝わってくる。
演奏が終わると同時に、大きな拍手が巻き起こった。
鏡子さんはホッとした様子で頭を下げた。
その後、式は様々な余興などで盛り上がり、最後はご両親への手紙の披露を残すだけになった。
まずは鏡子さんから。
お父様、お母様の目の前に立ち、緊張の面持ちで、でも笑顔は忘れずに一言一言丁寧に言葉を紡ぐ。
『子どもの頃、2人に連れて行ってもらった遊園地で、私はバルーンアートを作ってもらい、とても嬉しくて帰りまで大切に抱っこしてました。でも…最後の最後、遊園地を出たところでそのバルーンアートのわんちゃんを割ってしまい…私は悲しくて悲しくていっぱい泣いて、帰りの車の中では泣き疲れて眠ってしまいました』
ご両親は静かに頭を少し下げ、うんうんとうなづきながら聞いている。
『それから数日経って、お父さん、あなたは私のために、夜中、慣れないバルーンアートをお母さんと一緒に必死に練習して、私の前でそれを不器用ながらも心を込めて作ってくれましたね。私は嬉しくて嬉しくて…大喜びしました。今でもね、あの時のことは忘れてないから。大人になってもずっと大切な思い出です。すごく感謝してます』
本当に…素敵なエピソード。
胸がいっぱいになる。
鏡子さんの声が少し震えて、その目には涙が浮かんでるようだった。
『そんな優しい両親に育てられた私は本当に幸せです。お父さん、お母さん、今まで私を育ててくれてありがとうございます。相楽鏡子は今日から優木鏡子として絶対に幸せになるので、2人ともずっとずっと仲良く元気で長生きして、幸せでいて下さい。本当に…ありがとう』
0
お気に入りに追加
150
あなたにおすすめの小説
甘い束縛
はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。
※小説家なろうサイト様にも載せています。
恋に焦がれて鳴く蝉よりも
橘 弥久莉
恋愛
大手外食企業で平凡なOL生活を送っていた蛍里は、ある日、自分のデスクの上に一冊の本が置いてあるのを見つける。持ち主不明のその本を手に取ってパラパラとめくってみれば、タイトルや出版年月などが印刷されているページの端に、「https」から始まるホームページのアドレスが鉛筆で記入されていた。蛍里は興味本位でその本を自宅へ持ち帰り、自室のパソコンでアドレスを入力する。すると、検索ボタンを押して出てきたサイトは「詩乃守人」という作者が管理する小説サイトだった。読書が唯一の趣味といえる蛍里は、一つ目の作品を読み終えた瞬間に、詩乃守人のファンになってしまう。今まで感想というものを作者に送ったことはなかったが、気が付いた時にはサイトのトップメニューにある「御感想はこちらへ」のボタンを押していた。数日後、管理人である詩乃守人から返事が届く。物語の文章と違わず、繊細な言葉づかいで返事を送ってくれる詩乃守人に蛍里は惹かれ始める。時を同じくして、平穏だったOL生活にも変化が起こり始め………恋に恋する文学少女が織りなす、純愛ラブストーリー。
※表紙画像は、フリー画像サイト、pixabayから選んだものを使用しています。
※この物語はフィクションです。
元カノと復縁する方法
なとみ
恋愛
「別れよっか」
同棲して1年ちょっとの榛名旭(はるな あさひ)に、ある日別れを告げられた無自覚男の瀬戸口颯(せとぐち そう)。
会社の同僚でもある二人の付き合いは、突然終わりを迎える。
自分の気持ちを振り返りながら、復縁に向けて頑張るお話。
表紙はまるぶち銀河様からの頂き物です。素敵です!
ワケあり上司とヒミツの共有
咲良緋芽
恋愛
部署も違う、顔見知りでもない。
でも、社内で有名な津田部長。
ハンサム&クールな出で立ちが、
女子社員のハートを鷲掴みにしている。
接点なんて、何もない。
社内の廊下で、2、3度すれ違った位。
だから、
私が津田部長のヒミツを知ったのは、
偶然。
社内の誰も気が付いていないヒミツを
私は知ってしまった。
「どどど、どうしよう……!!」
私、美園江奈は、このヒミツを守れるの…?
アクセサリー
真麻一花
恋愛
キスは挨拶、セックスは遊び……。
そんな男の行動一つに、泣いて浮かれて、バカみたい。
実咲は付き合っている彼の浮気を見てしまった。
もう別れるしかない、そう覚悟を決めるが、雅貴を好きな気持ちが実咲の決心を揺るがせる。
こんな男に振り回されたくない。
別れを切り出した実咲に、雅貴の返した反応は、意外な物だった。
小説家になろうにも投稿してあります。
シングルマザーになったら執着されています。
金柑乃実
恋愛
佐山咲良はアメリカで勉強する日本人。
同じ大学で学ぶ2歳上の先輩、神川拓海に出会い、恋に落ちる。
初めての大好きな人に、芽生えた大切な命。
幸せに浸る彼女の元に現れたのは、神川拓海の母親だった。
彼女の言葉により、咲良は大好きな人のもとを去ることを決意する。
新たに出会う人々と愛娘に支えられ、彼女は成長していく。
しかし彼は、諦めてはいなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる