憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました～ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる～

LUNA BLUの奇跡

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千隼先生の真剣な目。


命でそう感じてるんだってわかった。


『私…そのお話を聞いて、改めてLUNA BLEで働くことが出来て本当に良かったと思いました。その奇跡の出会いにいつも立ち会えてることに感謝したいです。1つ1つ、ホテルの名前に恥じないように最高の結婚式を企画していきますね』


私も千隼先生を見習って、しっかり決意して頑張らなきゃって思えた。


『ありがとう。でも、いつかは里桜ちゃんにはLUNA BLUの奇跡を話したいと思ってた』


『え？』


『僕達の再会も…本当の奇跡だ。この出会いを僕は大切にしたいと思ってる。君がまた、僕の目の前に現れてくれて…本当に良かった』


『先生…』


静かに胸の奥に響くその言葉に、体が熱くなる。


ずっと憧れ続けた大切な人に、そんな風に言われて…私は今、どうしようもなく感動してる。


溢れそうな涙を必死に堪えようとしたけど、その努力は報われず…


目を閉じた瞬間、ひとすじ、キラリと私の頬をこぼれ落ちた。


『これからもよろしく』


千隼先生は微笑みながら、わざわざ私の隣の席に移動して、私の頭のてっぺんに手のひらを置いてくれた。


奥の席で周りに人はいないけど、でも…すごく照れてしまう。


それにこんな近くで汚い涙顔なんて見られなくなかったのに…


『わ、私こそ、よ、よろしくお願いします。精一杯…お仕事頑張ります』


うわずる声で何とか答えた。


『ああ。期待してる』


先生の親指が私の頬を優しく撫でる。


涙の跡が少し消えて…


でもまたその上から新たな涙が流れた。


きっと先生と再会した感動と感謝を今、私は思いっきり実感してるんだろう。


いろいろ嫌なことや大変なこともあるけど、私の大切な千隼先生が守りたいLUNA BLUで前向きに仕事を頑張ること…それが1番大事なことなのかなって思えた。


私達は、それからもしばらく食事と会話を楽しみ、つかの間だけ…優しくて温かい時間を過ごした。