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千隼先生と晴月部長

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『…えっ?』


まさか?


視線をあげると、そこには眩しすぎるオーラを放った美男子が立っていた。


千隼先生だ。


『休憩?』


『あ、はい。あっ、あの、この前は失礼しました。っていうか、今まで…すみませんでした』


私は立ち上がって謝った。


顔を上げると、周りのみんながこっちを見てた。


いきなりやって来た経営企画部長に頭を下げてる私って…


いったいどう思われてるんだろう。


『座って、里桜ちゃん』


優しく微笑む千隼先生。


『あ、はい、すみません』


私はゆっくりと腰を下ろした。


『どうして謝まる?』


『この前先生にもらった名刺を家族に見せたら…千隼先生が晴月グループの社長さんの息子さんだったことに兄が気づいて、みんなですごく驚きました。知らなくて…本当にすみませんでした』


『そんなこと、何も気にしなくていい。肩書きは全く関係ないから』


『でも…』


『僕自身は別に特別な人間じゃない。そういうことは関係なく君達ご家族と一緒に過ごさせてもらって、あの頃はとても楽しかった』


『本当ですか?』


『ああ、もちろん。晶子おばさんや薫君にも会いたい。本当にお世話になったから。晶子おばさんの作る料理は全部最高に美味しかった…懐かしいな』


いつも美味しいって言ってくれるから、お母さんはそれを心から喜んでた。


だから嬉しくて、また料理を研究して…の繰り返しで、ご飯がどんどん美味しくなっていった。


レベルアップされた料理を今までずっと食べていられるのは、千隼先生のおかげだな。


『先生が来たら唐揚げたくさん作るんだって張り切ってましたから…良かったらまた顔を見せてあげて下さい。すごく喜びます。あと、薫ちゃん、結婚するって言いましたけど、もうすぐここのホテルで結婚式を挙げるんです』
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