憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました～ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる～

千隼先生と晴月部長

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『嘘～！新しい経営企画部の部長、すごく素敵～』


『晴月 千隼部長。超イケメンの上に晴月グループの御曹司。おまけに英語ペラペラの秀才で仕事も出来るっていう噂だよ。あんなハイスペック男子、本当に存在するんだね』


『独身だなんて信じられない！私、花嫁さんに立候補しようかな～』


早速、今日LUNA BLEホテル東京ベイに赴任になったばかりの千隼先生の噂話が耳に入ってくる。


社食を食べながらワイワイ騒いでる。


このホテルは社員食堂でさえもオシャレで、料理も全然手を抜いてなくてリーズナブルで美味しい。


私は1人でミルクティーを飲みながら休憩してる。


千隼先生…本当にここの御曹司なんだね。


みんなの前で挨拶する姿を見て改めて思った。


すごく不思議な感覚。


いつかはこんな立派なホテルをいくつも経営してる晴月グループのトップに立つんだよね。


優しくて素敵な千隼先生…


20歳のまだ少しあどけなかった表情が、今はもう魅力溢れる大人の顔になって…


何だか私がよく知ってる先生じゃないみたいだった。


ちょっと遠く感じる。


もちろん10年間会ってなかったんだから遠くて当たり前なんだけど。


でも、これからはすぐ近くで一緒に仕事をするんだよね。


やっぱりまだ、全然信じられない。


こんなにも女性達のハートを一瞬にして掴む千隼先生のこと…


私はまだ憧れててもいいのかな？


何もかも釣り合わない私なんかが厚かましい？


だけど…


あの頃のキラキラした思い出をすぐに消すことなんて出来ないし、私は先生の恋人になりたいなんて思ってる訳じゃないんだ。


本当、どうしてこんな気持ちになるのかな。


ただ再会を普通に喜べばいいだけなのに、お母さんと薫ちゃんが変なこというから意識しちゃって…


『里桜ちゃん、いいかな？』