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大切な家族とのだんらん

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『よく覚えてる。よく一緒に食事したよな。千隼先生、俺の一個上だけど、めちゃくちゃ頭良くて礼儀正しくてさ。よく母さんに「千隼先生を見習いなさい」って言われたよな』


『あらそんなこと言ったかしらね』


とぼけた顔をしてるお母さん、ちょっと可愛い。


『私、千隼先生のおかげで合格出来たからずっと感謝してる。でも、千隼先生が来てくれたことにそんな理由があったことも、お父さんが晴月グループの社長さんだったことも知らなかったよ』


『父さん、千隼先生のお父さんのこと、晴月グループの社長だって言わなかったの?』


『そうよ、何も言わないから知らなかったわ。そんなすごい人だったなんてびっくりよ』


『じゃあ、やっぱり千隼先生は、LUNA BLUホテル東京ベイだけじゃなくて、世界中にあるLUNA BLUホテルの経営者の息子さんってことなんだよね?』


改めて確認してしまった。


『ああ、そうだ。晴月グループはホテルだけじゃなく、幅広いウエディング事業、高級レストランも多数経営してるし、とにかく世界的な大富豪だし、超セレブだし、千隼先生はホテル王の息子で御曹司だってことだ』


薫ちゃんが並べた言葉を聞くと、何だかあまりにもすご過ぎて現実味がない。


『御曹司…千隼先生がLUNA BLUの社長の息子さんだなんて…私、全く知らなくて入社したのに』


『すごい偶然じゃないの。これはまさに奇跡だわね。千隼君と里桜、何か縁を感じるわ。お母さん、ちょっとドキドキしちゃう』


『って、母さんがドキドキしてどうするんだよ』


薫ちゃんが笑う。


『だって、あんな良い人と里桜がもし結婚したら嬉しいじゃない』


『お、お母さん!ち、千隼先生が私なんか好きになる訳ないじゃない。結婚なんて絶対無いから』


『里桜、何をムキになってるんだ?』


ニヤニヤしながら私を見る薫ちゃん。
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